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裏のシステム
一番年上の50歳代の巡査は、見るからに人の良さそうなお巡りさんでした。
前に引用した(警察署員のヤミ仕事 第三書館)17頁に拠りますと、警視庁(東京都の警察)の場合は、昇任試験の問題は本部に勤務している者には情報が入って、彼らは勤務中図書館に行って勉強している。
これに対し、一線署員には情報は入らないし、勤務中図書館に行って勉強することも出来ないのだそうです。
これは警察に限らず他の役所でも民間企業でも同じなのでしょうが、要領のよい奴は、適当に仕事をさぼって昇任試験の勉強に明け暮れている。
人が良くて頼まれたら断り切れない人は他人の仕事まで背負いこんでしまって、結局は勉強する時間が取れずに昇任できずにバカをみる。
こういう事は、どこの世界にもあることなのではないでしょうか?
見るからに人の良さそうなお巡りさんが、いつまでたっても昇任できない本当の理由は、こういうところにあるのかも知れません。




