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第5章
第5章
警察が行った精神鑑定という名の内偵
余談が長くなったが、精神鑑定に話を戻そう。ドクターから聞かれた。
「では、貴方が包丁を持って対峙した男性は、警察関係者だと思いますか」
ピィと空気が動く。これは精神鑑定とは、全く無関係の質問だ。
先ほどの「ソープランドに警官がタダで通ってるって誰から聞きましたか」という質問もそうだった。
間違いなく、このドクターは警察から、私が警察の不正をどこまで把握しているか。どうやって、かかる情報を知ることが出来たのかを聞くように依頼されている。
私が受けているのは精神鑑定ではない。警察が行っている精神鑑定という名の内偵だったのだ。




