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第18話 迷宮に潜る面々

 この……密室に……、酸素も少なねぇえのによぉおお。十人……紅一点で、籠もるったぁあああ、なってこったいっ!!! 嗚呼~~~清らかな酸素が恋しいぜ、ちくしょうぉおお。


「アーサー、そろそろ始めちゃおうか?」

「そうだな」

「ああ、彼女、ウィネットと組むのは初めてよね?」

「俺か? そうだな……。この中で組んだことのある奴は?」


レクサムとアルヴィー、シュリアムが、手を上げた。

俺は、組んだ奴が居るなら安心だな? と、多少安堵した。まあ、信頼とは別の話だがな。


「彼女のことを紹介しておくわ、名は、ウィネット・リーク。皆はウィーと呼んでいるわ。そして、怪盗、隠密、暗殺スキルの持ち主よ。後は、攻撃、防御、回復魔法は初級のものなら使えるわ。彼女、生まれ持ってのMP(魔力)が平均より少なめなのよね、だから身体能力はかなり鍛え込んであるから、使い勝手のいい子なのよ。アーサー、お・い・た・して、消されないようにね」

「爺ぃ~よぉ~、おっかねぇ~こと言うんじゃねぇ~よぉ~、この繊細で幼気な子鹿のような俺によぉ~」


俺は両腕で自分を優しく抱きしめるような格好で視線を少し流しながら言った。煌めく碧眼だ、多少、効き目はあるだろうぉお?


「はい、アーサーくん。子鹿は186センチもないし細身とは言え、そんな固そうな筋肉をしてないです!」

「チッ」


わざわざ手を上げて言う、うぜぇええ~フェリちゃんだ。

そして、舌打ちをして悪態で答える態度のでけぇええ~俺だ。


「あ~はいはい」

「連れないなぁ~、ついでだから、僕がアーサーをウィーに紹介するよ。この黙っていれば麗しい美形のイケメン決めちゃっている子が、アーサー・フィン・アルラスね、アルラス王国の一応、王太子だ」

「一応てなんだよっ」

「そして、伝説の聖剣エクスカリバーの持ち主だ。彼がこの聖剣を抜いたのが僅か五歳の時。その時に神の国から加護を受けて、この地上で唯一、人としては光り属性の魔法が使えるんだ。戦闘スタイルは主に大剣をぶん回している。まあ、鉄鋼が盛んな国の王太子だからなぁ~。魔法は全般いけるよ。今、全てのランクは上級だっけ?」

「あ、いや、SS級だな」

「え? フェリちゃんにもう一回、言ってみて?」


フェリックス王だが、唖然とした顔をしたかと思うと、パチパチと大袈裟に瞬きをして、耳を澄ませるポーズを取りながら、俺に聞き直す。


「SS級だ、あと、一段階上がればトリプルだがな」

「アーサー、しれ~とした顔で言うもんじゃないよ! いつの間に……。まあいいか、あなたのことでいちいち驚いていたらハゲるから」

「ふむ。生え際は気を付けた方がいいぞ、フェリちゃん」

「えっ?! ホントに!!!」

「冗談だ」

「ウッ」


俺たちの会話を聞いて、


「フフッ」


ウィネット・リークは、妖しげな唇で笑った。艶っぽい。そして、そしてだなぁあああああ。聞いてくれるか? あ、いや、聞いてくれれぇえええぃいい!!! きょ、ききき、巨乳ちゃんじゃぁああねぇかぁあああ!!!

いかん……、いかんぞぉおおお!!! けしからんよ、君ぃ~~!

俺は、極力澄ました顔で話しをしているが、まあまあ、妖しげな唇で笑いを浮かべられた日にゃぁああなぁああああ、なぁあ?

このキャラクター(ウィネット・リーク)は、姉ちゃん情報にもねぇ! 無かった! お、お、おおお、落ち着けぇ~俺っ!!! あ、いやん、アーサーちゃん、落ち着くのよぉぉ……。

澄ました顔の俺の頭は、お花畑か、はたまた、宴会場だ! 悟られてはならぬっ! 断じてならぬのじゃっ!!!

そんなことを思っていると、巨乳ちゃんが……、いや、ウィネット・リークが、


「アーサー、私の唇に、あら、胸にかしら? 興味がありまして?」

「……」


ちょぉおおおおとぉおおお! ば、ばればれ、バレてますうぅ? 


「あ、いや、ウィネット・リーク様」


俺は、立ち姿でポーズを決めた!!! 右肘を曲げ顎を支えて左手で右肘を軽く持つっ、左足は半歩下がってぇだ。決まった!!! 決まったはずだ!!!


「やぁ~ねぇ~、フィー、人体が聖剣エクスカリバーになっているお年頃の男の子をからかっちゃ、駄目よ。この子これでも十六歳よ」

「え? 十六ぅぅう」

「そうよぉ?」

「フンッ」


あ……、笑った……この巨乳が……鼻で笑いやがった……。『フンッ』て言った、言った……、ちくしょうぉおおおお。


「アーサー、これからは、私のことはウィネット様とお呼び」

「え?」


俺は、ウィネットの言葉に脱力して決めポーズが崩れ、がに股になった。


「ウィー、それはないだろう? こいつ、こんなでも俺と互角に渡り合うんだぞ? 体術で俺と互角な奴なんかそうそういねぇ~、俺の攻撃はことごとく流されるしな、あれ、どうやってんだ?」


俺は心の声で日本の武道だよ。と言ってやった。


「嘘でしょう?」

「本当だ」


レクサムが言い切ると、他の顔なじみの面々が頷く。


「ふぅ~ん、じゃぁまあいいわ、ウィーよ、アーサー」

「では、ウィー、アーサーだ」


俺は偉そうに言った。舐められないようにな。まあ、男のプライドもあるが、ここで舐められてはチームワークも崩れるしなっ! ここは精々、虚勢を張らねぇえといけねぇえ。


「さて、アーサーとウィーの初顔合わせも出来たし、取り敢えずは、皆の紹介をしておく? この七人でチームを組むのは始めてだろうし、個々では同じチームになったことはあるかもしれないけれど」


いつの間にか気を取り直したフェリックス王が言うと、皆が頷く。


「では、レクサム・トラヴァーズは、体術とハンマータイプの武器を使う。アルヴィー・エクランドは、長物もいける剣使いだ、狩り場によって武器を選ぶ。ランディー・カルヴァートは、攻撃魔法全般を得意とする。シュリアム・デューリーは、回復魔法と防御魔法を極めている。ヴァレッド・ハウトンは、気の利く付与魔法をかなり取得している、それから回復魔法もそこそこ高いレベルだ。サラッとだがこんなところでいいか?」


フェリックス王が皆を見回して聞くとそれぞれが頷く。


「じゃぁ、引き続き、作戦会議だ。話しを詰めるぞ、アーサー」

「うん?」

「話しを進めてくれ」

「え? 俺ぇえ」

「フェリちゃん、疲れちゃった(ハート)」

「……」

「フンッ」

「クッ」


フェリックス王は、俺に作戦会議を丸投げし。ウィーは鼻で笑いやがるっ! ちくしょうぉおおお。それでも俺は、細心の注意を払いチームの奴らは誰一人死なせねぇえと思った。


よしっ! 気合い入れて行くかぁああ!!!

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