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[1](ここからほぼ始まり)

家に帰る途中地下鉄からJRに乗り換えるついでに、ふらりとアキバの街を歩きたくなった。



人ごみの中で音が出てないイヤホンでカモフラージュしながら

騒がしい人の会話や雑音で、頭の中を空っぽにしたい気分だった。


電気街の特有の宣伝音に紛れながら、どこか行く宛があるフリをして歩く。


どこの店も外国人に占拠されて、日本人が路地裏に追いやられて行く。

オレもその一人で、路地裏に入りやっと自分のペースで歩くことが出来た。



「最近ゲームもやってねえなぁ」


ゲーム屋の前で立ち止まり懐かしいタイトルを見つけて呟いた。



一人っ子のオレは誰に邪魔される事なくゲームを楽しめる環境に居た。


オレの親はゲーム推進派だった。


大体の親はゲームをやめて勉強をして欲しいと願うが、オレの親はゲームによって集中力がつくとさえ思っていた。


それは本当で、ある程度ゲームで集中力や粘り強さを学んだように思う。


勉強もゲーム感覚で攻略を考えて取り組むから、成績も悪くなかった。


ゲームをやり込むに連れて、人生そのものを戦略的に考えるようになって居たのかもしれない。




高校に入ってその生活はちょっと変わった。


ザ、リア充の人種が友達に多かった事もあり、リアルでの楽しみや交流に重点を置いて生活をするようになっていた。


女子を好きになってしまったのも、この生活が原因かもしれない…




フラリと店の中に入り、1階と2階を宛もなく見て回る。


狭い店内をグルグルと歩き、3階にたどり着く。


3階はVRの特設フロアになっていた。


去年から徐々に普及し始めた小型VRの最新ゲームソフトが並んでいる。


体験ブースが設置されており、先日発表されたばかりの


VR版仮想世界の続編「セカンドチャンス」

が体験できるようになっていた。


平日の夕方でまだ客がまばらだったので辺りを見回し、こちらを誰も見ていないか確認。


初期型より随分と軽くなった水中眼鏡ほどのVRを装着してみる。


着けると一瞬だけ船酔いみたいな感覚になるのは前と変わらない。




「すげーリアル」


思わずこぼれる。




仮想世界の中は旧バージョンよりかなり現実に近い空間にアップグレードされている。


動きはコントローラーで動かす方法と、センサーが自分の動きを察知し同調する。


その両方が切り替えられて動作していくのは前作と変わらない。




まずはコントローラーで動かしてみる。




今はどこかの家の中にいるようだ。


環境認識のため辺りをウロウロする。


可愛らしいマスコットなどが置かれている部屋…


鏡の前を通りかかると


自分はセーラー服を着た萌え系女子のアバターだった…。




思わず自分の体を触ってしまう。


アバターも同じ動きをするが、当たり前のように感触は男の身体を触っているようだった。





スカートをズラす様に上にあげる動作を取る。




白いパンツが鏡にうつった…




思わず後ろを振り返り、VR眼鏡を外す。


カップルが体験ブースの前でイチャイチャしている姿が目に飛び込んだ。


急いで体験ブースから出て、挙動不審にその場を離れた。





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