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霧の勇者は業が深い  作者: 彼岸花@
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旗取り6

◆◆◆旗取り6◆◆◆

「よくぞ彼らを打ち破ったな、デストリンドの勇者達よ!」


「なんか砦からおっさんが出てきたぞ?」


「きっと闘技場チームのリーダーなのよ。槍投げたらダメかしら?」


「さすがにそれは自重した方がいいんじゃないか?観客も見てるし。」


「先ほどまで戦っていた彼らは、戦争に負けたのは治癒の勇者のせいで、直接戦えば何のことは無いと豪語していたのだがな!我らトワイトライ闘技場チームは、この最後の一戦をもって、お前たちを歓迎しよう!」


「いいわ!受けて立ちましょう!」


「そう来なくてはな!我が名は砦のボルダロイ!ボルダロイ・アーランドだ!お前たちをこの砦で迎え撃つ!俺がユニークスキルを使っているからって、お前たちはこれまで通り使ったら駄目だからな?トワイトライが提供する最後の試練を今、始めよう!」


「まだBランクなのにノリノリだな。」


「ちゃんと戦わずに負けたからイライラしてたんじゃない?」


「夏海ちゃんが暴れてヴリトラがブレスで追い立ててたからな…。」


―砦に備え付けられているバリスタがゆっくりとこちらを向いた。


「もしかしてあのバリスタって無人で動くの?!」


「よくわからないけど、ここで待っているのは良くなさそうだな。」


「私が壊してくるねー。」


「あ!させないわ!無人ならこっちのもんよ!」


―マカが光の短剣を投げた。


「バリスタの近くに人がいたらどうするつもりなんだ?」


「マーカー出てないしいないわよ。たぶん。」


「おっと、それはユニークスキル。」


「しょ、しょうがないじゃない!これはパッシブなのよ!」


「まぁ、退場になってないみたいだからセーフなんだろう。」


まぁ、俺のミニマップも出たままなんだよね。識別の霧を出してないからメンバーの位置とHP把握くらいの役にしかたたないけど…。


―見える範囲のバリスタが全て沈黙した。


「全部仕留めたわ!今のうちに乗り込むわよ!」


「のりこめー。」


「我が覇道の礎となるがいい…!!」


「あ、ちょっと!私より先に行っていいなんて言っていないんだからね!」


俺はゆっくり行かせてもらおうかな…。




中に入ると、ところどころに無効化された罠があるが、あまり広くはないみたいだ。


元々、旗を守るようにちょっとした砦を建てただけなのだろうし、木が邪魔になってあまり大きいものを建てるわけにもいかなかったのかな。


「なかなかやるじゃない。」


「そっちもな。砦の中で俺とやりあえるなんて、チャンプ以来だぜ。」


床を動かしたりしてマカ達の攻撃を避けているようだ。


突然壁からボウガンが生えて攻撃してきたり、とがった地面が生えてきたりしている。


みんなよくあんなの防げるな。


おお、こっちにも来た。…意外となんとかなるもんだな。


「おにいちゃん、やっときたわね!風でパパっとやっちゃいなさい!」


「いや、あれはたぶん危ないって。」


「こいつの防御が結構固いのよ。」


「魔王様の魔法じゃダメなのか?」


「こいつ、ワープ床で拘束から逃げるのよ。」


「地味にいいもの持ってるな…。まいいや。気を付けて放つか。事故ったらごめんね。台風の風!」


「よっと。」


―わざと吹き飛ばされて壁に着地したようだ。


「隙あり!」


「それはどうかな?」


―マカが着地を狙って槍を投げたが壁を操作して避けられた。


うーん、なんか面倒だし、砦壊すか。人に向けて魔法を放つより安全だろうし。


壁を壊すなら…物理な土が良さそうだけどここは石畳だしなぁ。とりあえず風を撃ってみよう。


「全力の風!」


―かなりの風が吹いたが、砦の壁はぐらついた程度だ。


うーん、まぁ、慣れてないものを使ってもダメっぽいな。


「ミレイ、アクアレーザーで砦の壁と床を壊していってくれないか?」


「まかせてー。ウコンセノズミ、テガウ!」


―ミレイがアクアレーザーを乱射して砦を壊していった。


「うわ、デタラメな威力だな。」


「ナイスおにいちゃん。こうやって砦部分が減ったら避けられないわよね?」


「破壊なら我に任せよ。深淵は始まりにして終焉。帰れ、虚無の彼方!ダークホーリー!」


―光と闇が渦巻く極太ビームが壁を貫いた。


「拡散せよ!」


―渦が広がっていき、より広範囲の砦を破壊していく。


「さすが魔王様、カッコイイ…。」


「フッ、それほどでもない…!!」


―魔王様は嬉しそうだ。


「おお、怖い怖い。あれが当たったらお陀仏だな。俺もそろそろ腹くくるか!ああ、奇襲の心配はないぜ。生き残りは全部旗に特攻させといたからよ!今頃チャンプにボコボコにされてるんじゃないか?!」


「それじゃあ、さっさと私の槍を食らいなさい!」


「おっと!」


―床を伸ばして防いだようだ。


「これでトドメ!」


―防いだ壁を光の槍が貫いた。


「ハハッ。いい試合だったぜ!」


―砦の人は転送されていった。


「いよっし!おいしいところは貰ったわ!」


「ああ、そうか。その光の剣本体は爆発しないんだな。」


「へへー、どう?すごいでしょ?!」


「マカは俺の自慢の妹だよ。」


「そう?そう?」


「よしよし、よく頑張ったな。ご褒美に撫でてやろう。」


「でへへ~。」


「闘技場チーム全滅!挑戦者チームの勝利です!」


「ふむ、今回はなかなか面白かったのじゃ。次も頑張るのじゃぞ。」


「はい、このままAランクも制覇ですね。」


「うむ、期待しておるのじゃ。」




~全力の風~

ガンガンMPを注ぎ込み、

全力で風を、思った通りの風を発生させた。

しかし、その思った通りの風がそもそも大したことなかったのだ…。

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