はじめての異世界生活
◆◆◆はじめての異世界生活◆◆◆
「ハァ…どうしよう」
森の中だった。何故異世界転移は町のすぐ近くからスタートしてくれないんだ。迷った時はとりあえず状況を確認するんだったか?遭難した時の救助隊に依存した対応なら解るんだけど。魔物に遭遇したら即ゲームオーバーとか想定してねーよ。まぁ、他にできることもないし、現状を確認するか。
武器無し、食料無し、防寒具無し、人里の方向不明、救助隊が来る見込み無し、携帯は繋がらない。
いや、インベントリがあるんだったか。初心者セットとか入ってそうだ。
「インベントリ…って口に出す必要ないんだったな。」
半透明のウィンドウに所持品らしきものが表示されている。
「パン99個、水99個、旅人の服、ひのきのぼう。俺のロングソードはどこに行った?」
とりあえず旅人の服に着替えるか。今の格好は異世界人丸出しだし。
良かった。インベントリから装備できるようだ。
「ごわごわする。その分丈夫なのか?」
他には…ステータスはたいして変わっていないようだ。霧は…使ったほうがいいのか?
見つかったらアウトだし、目立つが魔物が近くに来てもやり過ごせるかもしれない。
臭いで追ってくるタイプは何をやってもダメな気がする。あ、いいことを思いついたぞ!
超広範囲に霧を撒き散らす→冒険者が調査に来る→助けてもらう これだ!
騒がせたとかで怒られそうだが、無事に森を抜けることの方が重要だ。
「ふぅ…つかれた。」
かなり広範囲で広がったはずだ。しかも見つかりたくないから霧の濃さはマシマシにしておいた。
一寸先は闇ならぬ一寸先は真っ白だ。調査に来た冒険者がいても見えない気がするが、対応できる奴が来てくれるだろう。
それと、多分そうなんだろうとは思っていたが、俺だけ霧で視界がふさがれないという事もなかった。視界方向だけ霧を薄くすることはできるが、魔物に見つかりたくないので今はやっていない。そういえば、MPはどれくらい使ったのだろう?
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中川 将太 Lv0 EXP22 人間 男性 クラス:観光客 HP101 MP8 攻13 守8+1 魔14 護11 速8
スキル 霧
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MP8しか減っていないな。あれ?EXPが増えている。霧を使うとEXPが手に入るのか?
Lv1になれば魔化するとか、Lv0とLv1は差が激しいとか言っていたし、もっと霧を使ったほうがよさそうだ。
「ちょっと、つらく、なってきた。」
MPが減るときつくなるっていうパターンか?少し休もう。
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中川 将太 Lv0 EXP94 人間 男性 クラス:観光客 HP101 MP2 攻13 守8+1 魔14 護11 速8
スキル 霧
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残りMP2か。たぶんMP切れということなのだろう。
「ん、んん?!なんか力があふれてくる……!!」
レベルアップ回復でもしたのか?もう一度見てみるか。
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中川 将太 Lv1 EXP0 下級ハイヒューマン 男性 クラス:観光客 HP181 MP45 攻33 守26+1 魔36 護38 速9
スキル 霧 SP1
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す、すごい増えてる。やっぱりレベルが上がっていたのか。これで俺もゴブリンに…勝てるわけないよなぁ。
SP1か、スキルポイントか?どうやったら使えるんだろう。あ、念じたらいける系なのか。
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身体強化[入門] 身体強化付与[入門] 身体強化発動[入門] 身体強化耐性[入門]
口笛[入門] 口笛付与[入門] 口笛発動[入門] 口笛耐性[入門]
能力減退攻撃[入門] 能力減退付与[入門] 能力減退発動[入門] 能力減退耐性[入門]
毒攻撃[入門] 毒付与[入門] 毒発動[入門] 毒耐性[入門]
跳躍[入門] 跳躍付与[入門] 跳躍発動[入門] 跳躍耐性[入門]
暗闇攻撃[入門] 暗闇付与[入門] 暗闇発動[入門] 暗闇耐性[入門]
水中呼吸[入門] 水中呼吸付与[入門] 水中呼吸発動[入門] 水中呼吸耐性[入門]
発熱[入門] 発熱付与[入門] 発熱発動[入門] 発熱耐性[入門]
発火[入門] 発火付与[入門] 発火発動[入門] 発火耐性[入門]
水攻撃[入門] 水付与[入門] 水発動[入門] 水耐性[入門] etc...
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うーん、選択肢が多すぎてわからない。しかも、入門って役に立つのか?
まてよ。俺がばらまいているこの霧に毒を付与すれば、超広範囲の毒霧攻撃ができるようになるのでは?
だったら、属性攻撃っていうのも…いや、霧ってそもそも水属性なんじゃ?これはよく解らないからやめておこう。
やっぱり基本はあれだな。いろんな状態異常を付けてハメ技で無双するのが安全だろう。最近のボスはなんだかんだで状態異常が効いたりするし、そもそもボスと戦う予定はない。
でもなぁ、こういうのってスキルリセットできそうにないんだよね。救助が来るまで保留かな?
「DPを使えばスキルリセットできるのじゃ。」
「え、その声ってトリアテ様?」
霧を少し薄くして周りを見渡すが誰もいない。神様パワーだろうか?
「そうじゃ。何故かおぬしがLv1になったから様子を確認しておるところじゃ。」
「何故かってひどいですね?簡単にLv1になれるじゃないですか。それに、もしかしていつでも会話できたんですか?」
聞きそびれたことが山ほどあるのに。
「わしからは一方的に会話できる。おぬしからならそうじゃのぅ、1000DPいただくとするかの。そんな事より、Lv1には簡単になれるはずがないのじゃ。どんな幸運に恵まれたのじゃ?」
「1000DPって妙に高いですね。まぁ、神託みたいなものと考えれば安いのか?Lv上げは簡単でしたよ?霧を撒いているだけで経験値がもらえるみたいですし。」
「それはおかしいのじゃ。魔物を倒す以外では経験値は手に入らぬ。しかもLv0の時は1人で魔物を倒さなければならぬし、倒した時に近くにおらねばならぬのじゃ。霧を撒いているだけでは増えぬはずじゃ。」
「でも、俺はそれしかしていませんよ?」
「ちょっと確認してくるのじゃ。」
ああ、テレビで見てくるのかな?あのテレビ壊れないといいけど。
「解ったのじゃ。おぬしの霧で経験値を横取りしておった。ぬしの霧で魔物を包んでおるから魔素の逃げ場がなく、倒された魔物の魔素をそのまま取り込んでおぬしの経験値となっておったというわけじゃ。」
「一応隙間ならあるのでは?」
「霧の一粒同士の隙間はあるじゃろう。じゃが、それらはおぬしの魔力を纏っており、すべて繋がっておる。隙間など無いのじゃ。」
「ああ、確かにこれ、切り離せませんからね。あ、切り離せました。でも、戻せないみたいです。」
切り離したらただの霧になるようで、操作も受け付けなくなるようだ。
「じゃろう?とにかく、思っていたよりも使えるスキルで良かったのじゃ。」
「これで俺もチートスキル使いの仲間入りですね!」
ここに来た時はどうなることかと思ったが、今後は明るいチート無双生活が待っていそうだ!
「何を言うておる?チートスキルというのは、Lv0なのに上位魔物をあっさりと倒せてしまうものを言うのじゃ。経験値を掠め取るだけのスキルでは話にならぬ。」
「え?でも、このままLvを上げれば強くなれるのでは?」
「上げられればいいがの。今、魔物に狙われたら生き延びられるのかや?」
「む、むりです。」
俺は慌てて辺りを見渡し、周辺の霧を薄めたままだったことに気が付いた。もちろんすぐに戻した。
「ともすれば、強くならねばの?SP1で毒霧にしてみる、か。これだけ広範囲なら序盤の経験値稼ぎには良さそうじゃの。」
「あ、それなんですけど、この[入門]っていうのと、付与だの発動っていうのは何なのですか?」
入門がその辺の雑草並みの効果なら意味は無いし、毒攻撃はまだしも毒付与と毒発動では何が違うのやら。
「毒攻撃なら新しく毒での攻撃手段を取得できる。
毒付与は1つだけスキルに毒の追加効果が出るように強化できる。
毒発動は1つだけスキルの発動時に自分が毒になるように強化できる。
毒耐性は毒の耐性が付く。
毒[入門]の効果は3前後のHPダメージじゃ。」
「なんか毒攻撃って弱そうだし、スキル発動時に毒になるのに強化って言われても。毒耐性は欲しいですが攻撃手段が欲しいから保留かな。」
「毒を受けることで強くなる種族や、そういう状態になるスキルや魔法を持っているものからすれば強化じゃ。」
「間違えたわけではなく?」
「間違えてはおらぬ!毒が例になっているから解りづらいのじゃ!身体強化などの解りやすいものを発動すればよかろう!」
「アッハイ。それで、毒付与[入門]を付けてみようと思うのですが、自分に当たったりしませんか?」
解毒薬も回復アイテムも無いのに自爆したらまずい。
「自分の周りだけ霧を避けられるみたいだから大丈夫じゃろう。」
「この、手の部分切り離すとただの霧になっちゃうみたいなのですけど。」
ここから食らったりしないよな?第二の脳筋勇者にはなりたくないぞ?
「毒[入門]を恐れすぎじゃ。HPは181もあるではないか。もしこれでHPが減ったら、安物の回復アイテムでも買ってやろう。それで十分じゃろ?それに忘れておる様じゃが、使えなかったらDPでSPに還元できるから大丈夫じゃ。」
おお、これはラッキー。
「ありがとうございます。では、やってみますね。」
【毒付与[入門]を取得しますか?1SP】Yes No
Yes!
【どのスキルに適用しますか?】霧
そもそも俺は霧しかスキルを持っていない。霧を選んだ。
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中川 将太 Lv1 EXP20 下級ハイヒューマン 男性 クラス:観光客 HP181 MP45 攻33 守26+1 魔36 護38 速9
スキル 霧+毒付与[入門]
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「それにしても、こんなに助言して大丈夫なのですか?」
「なにがじゃ?」
「あんまり干渉してはならないみたいなルールがあるような気がするのですが。」
ラノベではお約束だ。
「そんな事かや。おぬしはわしが召喚した勇者じゃ。助言に課金にえこひいき、なんでもアリに決まっておる!問題があるとすれば、忙しい神が義務を放棄して勇者にかまけていれば咎められるかもしれぬが、わしは権能が無い!わしは自由なのじゃ!」
どうやら権能が無いだけではなくニート神だったらしい。早く権能を授かってもらわないと。そういえば
「俺を召喚した3000DPってどうやって手に入れたんですか?」
魔力結晶を作って売ったんだよね?そう言ってください。
「親切なおじさんがくれたのじゃ!」
その人…いや神様だろうけど、たぶんあかんやつや……。しかもマジでニート神だった。神様的には子供だからセーフなのか?
「それは良かったですね。でも、DPくれるからってついて行ったらだめですよ。」
「DPはぬしが稼ぐから大丈夫じゃ!」
「そ、そうですか。」
心配だ…。あ、でも、俺が稼いでトリアテ様はお家で待ってるってなんか夫婦みたいで…無理あるか。まぁ、神界では大抵のものは手に入るって言ってたから、DPさえキープできていれば大丈夫か?余ったDPを何に使うのかは知らないが、いつか余裕があるときに聞いてみよう。
~一般スキルを覚えよう~
SPを消費すれば一般スキルを覚えることができます。その技能を実際にできるからといってスキルを覚えることができるわけではないので気を付けてくださいね。例えば、計算ができるようになっても、スキルを利用した計算とは違うので、計算のスキルが手に入るわけではないのです。それでは、ほんの一部ですが、一般スキルを紹介します。また次号でお会いしましょう!
【一般スキル一覧(発展系略)】
早口 無言 料理 悪寒 威圧 加速 掘削 暗視 遠目 命中 潜伏 先導 操縦 鍛冶 掃除 種まき 片付け 読書 絵画 複写 筆書き 裁縫 手作り 手当 接続 匍匐前進 登山 投擲 農業 槍術 磨く なめす 持ち上げ 入浴 浮遊 成形 散らかす 計算 商売 詐欺 遊び人 保温 収穫 念動力 誤認 透過 歩行 交渉 停滞 大声 大食い サバイバル 鋳造 射撃 健康 頑丈 恐怖 休憩 医療 連携 握る 伐採 釣り 網打ち 掘る 罠 罠利用 祈る 色彩 空腹 殴る 埋める 熟成 押す 動かす 薄める 歌う 訴える 盗む 占い 笑う 並べる 押す 落下 拝む 収納 学ぶ 泳ぐ 飼育 草刈り 狩猟 準備 香り 光る 隠す 飾る 硬化 演奏 etc...




