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霧の勇者は業が深い  作者: 彼岸花@
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霧の勇者は早く転移したい

◆◆◆霧の勇者は早く転移したい◆◆◆

「って、いやいやいや、あいつ脳筋っていうほど脳筋じゃなかったし、ゴブリン強すぎるだろ!なんだよあのパンチ!!」


どこのプロボクサーだよってくらいのパンチだったのだ。一般人がどうにかできるようなものではない。

仕掛ける前に強奪使っていたから、格闘術のスキルも持っていなかったはずだ。


「あれくらい普通じゃ。魔物は最低でもLv1じゃから、Lv0の人間の4倍くらいの力があるからの。」


「4倍ってバランス悪すぎだろ!しかも、パンチが速い説明になってないし!」


「F=maなのじゃ。力が4倍になれば加速度も4倍にできるのは当然じゃ。」


「なんでそこ物理学なんだよ!しかも、筋肉が付きすぎると遅くなるって聞いたことあるぞ?!」

たぶんえらい人が言ってた。


「筋肉が4倍なわけではないしの。身体強化の魔法みたいなものじゃ。そもそも強い強いと教えてやってあったのじゃ。奇襲した程度で勝てるなら初めからそう伝えておるわ。」


「さすがに雑魚の代名詞であるゴブリンがここまで強いとは思わないだろ。あ、実は普通のゴブリンじゃなかったとかですか?」


「普通のゴブリンじゃが、剣術[初級]を持っていたから多少は強い方じゃったのではないか?」


「そうですか、良かった。普通のゴブリンはあそこまでではないんですね。」


「とはいえ、戦えないゴブリンは集落に引きこもるか、あっさり他の魔物にやられるじゃろうし、おぬしが戦うのはスキルを持ったままじゃろうから、さっきと同じかそれより強くなるかもしれんがの。」


「むりじゃん!むしろよく人間滅びていないな!!」


「わしらが勇者をどんどん送り込んでいるからそう簡単に滅びたりせん。滅びたら滅びたでこの世界の管理者がなんとかするじゃろ。」


ああ、そういえば、暇神様の遊び場でしたね!


「でしたら、俺みたいな量産型勇者は大人しく商人にでもなった方がよさそうですね。」


「なれればよいがの。勇者がたくさんおるから、すでにNAISEIチートなぞできぬぞ?」


「さ、サラリーマンとか…」


「おぬしのかつての職業はなんじゃったかの?」


「俺、異世界に行ったら冒険者になるんだ……!!」

異世界に行けるのに、商人になるなんて、そんなもったいないことはできないのだ!


「この安い召喚は居なくなった場合の埋め合わせが簡単なものが選ばれるらしいから聞くまでもないのじゃがな。ほれ、ぬしよ。落ち込むでないわ。勇者3点セットとレアスキルはすでに付与されておる。もしかすれば、いいものが当たっておるかもしれぬぞ?」


はて、勇者3点セットといえば、鑑定・インベントリ・言語理解だったか?トリアテ様からはまだ聞いていないような気がする。 


「勇者3点セットっていうのは、鑑定、インベントリ、言語理解でしょうか?」


「おお、そういえばその説明もまだじゃったの。インベントリと言語理解は合っておる。じゃが、鑑定ではなく、ステータスじゃ。初期は鑑定じゃったらしいのじゃが、強すぎるとかで格下げになったのじゃ。さて、そろそろスキルを確認してみたらどうじゃ?ステータスと叫んでみよ。」


「俺も鑑定欲しかったなぁ。まぁ、無いものは仕方ないか。…ステータス!」


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中川 将太 Lv0 EXP0 人間 男性 クラス:観光客  HP101 MP16 攻13 守8 魔14 護11 速8

スキル 霧

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ユーザーインターフェースはゲームっぽい仕様なのか。わかりやすいからいいか。


「ちなみにステータスと声に出す必要はないぞ?あやつもそうだったじゃろ?」ニヤニヤ


「そ、そういえば、勇者はLv0からなんですか?」


「人間は動物だから皆Lv0じゃ。Lv1になったらハイヒューマンに魔化できるぞ。Lv1になれるかどうかが重要なのじゃ。それで、スキルは何が出たのじゃ?」


「魔化って…まぁ、なんとなく進化みたいなやつだろうけど…。えーと、霧って書いてありますね。」


「ほう、階級はないのかや?」


「ええ、ただ霧と書いてあります。」


「なんと、アタリではないか。ユニークスキルじゃぞ!」


「え?ほんとですか?!」


「本当じゃ!一般スキルは階級が必ずついておる。ついてないのは全てユニークスキルじゃ!」


「いよっしゃーー!!」


「ほれ、試しに使ってみるがよい。」


「え、えっと、どうやって?あ、なんかできそう。」


俺の周囲に霧がかかった。


「ふむ。霧じゃの。それで…何ができるのじゃ?」


「え、えー・・・霧を移動できます。」


「ほうほう、それから?」


「濃度を変えられます。」


「目くらましにはなるかの?して?」


「こ、こうやって相手に当てると…な、何も起きませんね。」


「ふむ…ちょっとそれを解除するのじゃ。…よし。『ミスト』」


トリアテ様の周囲に霧がかかった。


「これは霧をだす水魔法[初級]なのじゃが、これと大して変わらないような気がするのう?」


何か違ったとしても、霧は霧だからなぁ。


「霧化して、攻撃を受け流す…とか……。」


自然系能力は物理攻撃を受け流せるから最強!ってならないかなぁ…。


「できるのかや?」


「えっと、この机で試してみます。」


まず、腕を霧化する…。うん、やり方が解らない。触って、通り抜ける感じで……ふんぬっ!アッハイ、ダメですよね。


うぉぉぉおおお!!この手に力をおおおおおおおぉぉおぉ!!!


「できないみたいです…。」


「…うむ、まぁ、勇者3点セットがあるから、それで頑張るのじゃ!勇者将太よ、税率は1割にしておいたから、えーと、頑張るのじゃぞ!」


「ま、待ってください!せめて!何か魔法を教えてください!!」


「ええい、寄るでないわ!座標が乱れる!!もうこの辺でいいわい。『送還』」


「うわぁぁ、待って!待ってください!!トリアテ様あぁぁあぁぁぁぁ…。」


「ふぅ。やはり一番安い召喚はいかんの。次は5万DPのやつにするのじゃ。」


~冒険者ギルド広報 ユニークスキル概要~

やあ、みんな。元気にしていたかい?今回はユニークスキルについて簡単に説明しよう!え?持ってない?なーに、気にすることはない!ユニークスキルっていうのは何かに特化した代わりに、最初からそこそこの階級のスキルと同等の効果が出せるってのがほとんどだ。だから、中級相当のユニークスキルと同じようなことを同系統の中級スキルで再現できる。むしろ、一般スキルならその先を目指すことだってできるんだ。つまり!君たちの鍛★錬は無駄ではない!努力は我らを裏切らない!もし、日々の修練に疲れ、挫けそうになったなら、我らのもとを訪ねてほしい!我らは、いつでも君たちを待っている!!

日進月歩 副団長 メライヤ・ディルハーン

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