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霧の勇者は業が深い  作者: 彼岸花@
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森の迷宮2

◆◆◆森の迷宮2◆◆◆

「ちょっと、ネネ。ここにゴブリンがいる事知ってたでしょ!さっさと攻略しないとダンジョンマスターに逃げられるじゃないの!」


「大丈夫だよおねえちゃん。このダンジョンの周りは悪魔の塔のダンジョンマスターの領域になっているから、逃げようとしても逃げられないから。」


「そのダンジョンマスターだって倒せるのに放置しているのよ?仲間かもしれないわ!」


「しょうがないなぁ。どうせ広いダンジョンでもないし、さっさと倒して次行けばいいかな。」


―ネネリムちゃんが鎖鎌を操作し始めた。




「このダンジョンでゴブリンが見つかり、極めて有害なダンジョンであることが発覚しました。速やかにここを討伐する作戦に切り替えます!」


「霧でブワっとやんのか?どーせならダンジョンマスターに一発ぶち込んでやりてーな!」


「俺はどっちでもいいけど。」


拷問とかは趣味じゃないし、どうせ倒すなら同じだろう。


「将太は将太でなんでもうそんなに連れてるのよ…。」


「麻痺させてテイムするだけで増えるからなぁ、数制限もないし、麻痺を治す方が大変だったよ。」


おかげでリカバリー付与[入門]を取ることになった。状態異常を一つ消すだけだから治すのに時間がかかるのだ。まぁ、今後も役に立ってくれるだろうからいいけど。


「まぁ、ゴブリンを連れていないことだけは評価してあげるわ。」


「あぁ、あまり良くない思い出があるからね…。」


―ミレイは木から栄養を吸い取るのに夢中なようだ。あの木は甘くておいしいのだとか。


そして魔王様たちはウォリウに夢中か。テイムしてしまえば襲ってこない犬みたいなものだからな。


「ぬしよ。そんなにたくさん連れて歩いたら邪魔なのじゃ。戦力として必要なわけでもないし、わしにいい考えがあるのじゃ。」


「異空間に送ってそのままはダメですよ?たまには外で遊ばせてあげないと。」


異空間で待機してもらう事もできるようになった。ミレイが言うにはかなり広いし居心地もいいらしい。


「効果時間延長を初級にして身体強化をかければ10日くらいは余裕で持つはずじゃ。1週間くらい人が来なくて魔物がいるような所に派遣して好きに過ごさせればLvも上がって一石二鳥なのじゃ。」


「いいですね。引き寄せもできるようになったから、行方不明という事も無いか。これならどんどんテイムできるな。」


「これで終わりの見えないおぬしのLv上げタイムが軽減できるのじゃ。」


「えっと、もう大丈夫ですか?えー。ここのダンジョンは広くないのですが、討伐隊を退けるほどのものがあるんです。私は既に確認しましたし、対処も容易なので、とりあえずそこを突破するまでは霧は使わないで欲しいんです。」


「霧を使うとマズいのか?」


「いえ、せっかく思考を凝らして作られたものなので、体験しないともったいないかな?と。」


「なるほど、面白くなってきたぜッ!」


「うーん。突破できるならいいか。」


「…ハッ!下僕よ、よもや1匹も残さぬつもりではあるまいな?」


「いや、ミレイだけは残すけど?」


「この子!この子だけは残そう!」


「群れで捕まえたから1匹だけ残すのは可哀想じゃないか?いつか乗れるようなでっかい奴をテイムしてあげるから。」


「く…今は仕方あるまい…。」


「約束。」


「ああ、約束する。トリアテ様とも、いつかドラゴンをテイムするって約束しているしな。」


「我は暗黒龍の献上を希望…。」


「テイムできたらお渡ししますね。」


「もふもふも欲しい…。」


「それもですね。」


麻痺耐性減退もあるから、捕獲率はほぼ100%だ。見つけ次第捕まえてあげよう。マスボ投げ放題なんて余裕だぜ!


「とりあえず今は異界に送っておくか。今派遣に出したらダンジョン外にいる門番の人たちに咎められるだろうことは確実だからね。」


「待つが良い、新しい下僕たちに我が目印をつけてやろう。」


魔王様が変色を使って黒い蟹の絵を描いてくれた。白い縁取りをしているので見えづらいという事もないし、運が良かったら冒険者に出会っても見逃してくれるかもしれない。まぁ、そうそう倒せるステータスじゃないので危険がなければ反撃しないように言うつもりだが。ちなみにさっきまでにテイムしたのはこんな感じ。


・ウォリウ 8体

・ビーララ 34体

・フォライ 2体


ウォリウは1グループしか見つけられなかった。


ビーララは蜂の魔物だ。ミレイが木から吸った甘い蜜の匂いを霧で運んだら集団で襲ってきたのでまとめて捕獲した。20cmくらいの大きさなので普通に怖い。っていうか虫出るじゃん、虫苦手なんだよね…。霧がなかったらガン逃げ確定だった。


フォライは蝶の魔物だ。テイムしたウォリウが見つけてくれた。毒鱗粉と風魔法[入門]を持っているから一般人には危ないらしい。


~愛しの蟹の勇者様へ~

ダンジョンの間引きに旅立たれたと聞きました。

眷属を失って困っておられる蟹の勇者様がいつか戻られる時のために、川蟹を集めています。

ギルドを通してでもいいので是非お受け取りください。

名もなきあなたのファン


~↑こいつひきこもり~

ひきこもり卒業したと思ったら昼間から川蟹なんかあつめてんじゃねーよ!

また、川蟹少女が見られるのか。くそ、お前は天才か!

匿名希望のファン

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