ある町で a5
◆◆◆ある町で a5◆◆◆
―カーン カーン カーン カーン カーン
「あ、これはついにレイドボスが来たな。」
「困ったわね。たまたま滞在している町にたまたま受けたクエストに載っていたレイドボスが来ちゃうなんて。」
「まぁ?倒せるかどうかはわからないけど?小手調べに槍か何かを投げてしまうのは仕方ないことだよね。」
「あ、おにいちゃん、私今すっごく丁度いい槍持ってるよ?投げもいいかな?」
「さっすがマカ、タイミングいいね!たまたま当たって倒せちゃうかもしれないから、やってみよっか。」
「あ、おにいちゃん、大変だよ!今日は何故か攻がMAXまで強化されてるみたい!あ、でも、レイドボスは空中だから安全だね!」
「ホントだよマカ!運がいいね!」
「それじゃぁ、いっくよー!」
―槍は何の抵抗もなくレイドボスを貫いていった。見てから霧でキャッチ余裕でした。
「ちょっと衝撃で物が倒れたりした気がするけどおおむね大成功だな。」
「これでこの町で受けたクエストはクリアね!」
「楽なクエストだったな。次いこっか。」
「白々しいのう。普通に倒せばいいじゃろうに。」
「一応、旅行で来ているって事になってますからね。まぁ、誰も聞いてなかったかもしれないですけど。」
「無駄な努力はやめるのじゃ。さっと行ってさっと倒せばよい。鎧袖一触じゃ。」
「うーん。じゃぁ、次はそれでいってみましょう。」
~別荘第四エリア~
「よく来たな糞虫共!ここがこれからお前らが住むことになる第四エリアだ!ありがたく思え!」
「は?な、なんだよここ。」
「おいおいおっさん、なめてんのか?あ?」
「黙れクズ共!説明は一度しかしない!心して聞け!
第四エリアに集められるようなゴミ共がどのような目に合おうと我々は一切関与しない!
しかし!脱走を試みるものは我々が責任をもって処理させてもらおう!
それと、どうせお前らに生産活動など無理だからな、
認識タグさえあれば最低限の物資の支給はやってやる。
せいぜいなくさないように気を付けるんだな!」
「そ、その、再発行はしていただけるんですよね?」
「ふざけるな!誰が発言を許可した!お前のような奴には説明してなどやらん!現地で親切に教えてくれる人でも探すんだな!説明は以上だ!キビキビ進め!」
「お、おい、どうすんだよ。」
「ゾライ、ちゃんと聞いてなかったんか?これまでつるんでたよしみで最後に教えてやるよ。これから行くのは弱肉強食の無法地帯。自分の身が自分で守れない迂闊な奴は終わりって事だ。」
「さ、最後ってなんだよ!俺たち仲間だろ?!」
「いいか。俺たちは今、価値のあるものを2つも持っている。それは命と…。このドッグタグだ。」
「こ、これが・・?」
「そう、それだ。そいつが無くなったら飯も食えねぇ。でもな、よく考えてみろ。今からあの扉をくぐって出ていく俺たちは、第四エリアとやらの住民たちからすれば最高のカモに見えると思わねーか?」
「そ、そうじゃん!ど、どうしよう。」
「それはな、こうするんだよ!」
―扉が開くと4人が全力で走り抜けていった。
「お、おま・・・裏切ったなぁぁぁぁあああああああ!!」
その後、彼の姿を見たものは誰もいない。