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霧の勇者は業が深い  作者: 彼岸花@
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定番

◆◆◆定番◆◆◆

「やっと起きたのじゃ!」


うーん、少女の声が聞こえる。近所の子供だろうか?若いっていいよな。今日は確か休みだったし、二度寝するか。何時だろ・・・・あれ、時計が無い。んー・・・・あれ?!ここどこだよ!!まぁいいや、寝よ・・・。


「これ!寝るでない!!」


「ハッ…!」


目の前に金髪幼女がいる!俺にもこんな妹が欲しい!じゃなくて、ここはもしかしてこの子の家か?


「えっと、ここは?」


「わしがおぬしを召喚したのじゃ。そしたら爆睡しておったからわしのベッドに運んでやったのじゃ。感謝するのじゃぞ?」


おお、このベッドはこの幼女のものなのか!そういわれるとそこはかとなくいい匂いがするような気が…。


「それはありがとうございました。それで…召喚ですか?」


「そうなのじゃ!おぬしにはわしの為にDPを稼いできてもらいたい!」


「DPってダンジョンポイントですか?もしかして憧れのダンジョンマスターに」


「違う、ドリームポイントじゃ。DPを使えばなれるかもしれぬが、これからすぐになれるわけではない。」


「おっと、ハズレの勇者召喚だったよ。異世界に行けただけマシか。」


「ここはまだ異世界ではないぞ?まぁ、神界じゃから異世界でもあるが。」


「え?でも、ここは普通の部屋みたいだし、窓の外の景色も普通のように見えますし。」


そう、ダンジョンの奥で呼ばれたわけでも、神殿の儀式で呼ばれたわけでもなさそうなのだ。


「ならばほれ、そこから外に出てみるがよい。」


そう言って扉を指さした。廊下に繋がっているのではないのか?まぁ、逆らっても仕方ないし行ってみるか。


「って、白い!本当に神界だったのか!!」


遥か彼方まで白い空間が広がっていた。


「まぁ、今だけそれっぽくしただけなのじゃが。普段からそれでは不便じゃからの。」


「しかし、ここが神界という事は、もしかして、神様?」


「そうじゃッ!我が名はトリアテ!女神じゃ!!」


のじゃろり神とは素晴らしい。是非とも信仰したい。


「なるほど、ちなみに何の権能をお持ちなのですか?」


権能を知らないと布教するときに困るからな。


「そんなものはない。」


「ぇ?ああ、無を司る神なのですね。凄そうだ。」


「違う。わしは何の権能も持っておらぬ。若輩じゃからな!」


若輩って自分から名乗るものだったっけ?


「ちなみに、何歳くらいなのですか?」


若いなら聞いても大丈夫だろう。


「20歳じゃ!!」


若!!神様若!!!


「おぬしが活躍すれば、何処かの高神に興味を持たれ、眷属神になれるかもしれぬ。そうすれば権能も手に入るじゃろう。」


「責任重大ですね。」


この娘の為に頑張らなくては。


「なに、気負う事はない。おぬしが稼いだDPでまた召喚すればいいだけじゃ。」


20歳とはいえ、神様基準だからそういうものなのかな?


「俺は最低限どれくらい稼げばいいのですかね?」


「おぬしの召喚につかったのは3000DPじゃな。これが一番安いのじゃ。」


「なるほど、3000DPですか……。えっと、これはどれくらいなのですか?」


ドラゴンよりは安そうだが。


「だいたい3000円くらいじゃ!」


やっす!!! 俺の召喚費用やっす!!!!


「安い代わりにレアスキルが1つ発現するだけなのじゃ。レアなだけで妙な特化型が発現したりするらしいのじゃ。プレミアム召喚ならもっといいものが付くのじゃが…。」


「ぇ、何故プレミアム召喚にしなかったのですか?」


それを使わないなんてもったいない。


「次に安い召喚ですら5万DPもするのじゃ。初回無料プレミアム召喚で呼んだ勇者はあっさり死んでしまったし…。」


「5万円は…うーん。神様にも高いのかなぁ?」


「ここでは大抵のものは手に入るから売れるようなものは逆に貴重なのじゃ。まぁ、魔力結晶を作って売れば済むのじゃが、これは時間がかかってしまっての…。そもそもあの脳筋勇者が多少でも稼いでくれていれば!」


神様基準なのに時間がかかるとかやばそうだな。それに俺が異世界に行って3000円稼ぐだけなら簡単そうだし、一番安いので呼んで稼がせた方が楽だと思ったのだろう。


「そもそもおぬしに行ってもらうのは、DPを持て余した暇神が作った、簡単 にDPが手に入る世界チュートリアじゃ。魔物を倒せば手に入るし、実績を作っても手に入る。通貨までDPじゃ。」


「なんだか簡単そうに聞こえますね。なんで俺の前の勇者は失敗しちゃったんですか?」


「そうそう、それなのじゃ!あの脳筋勇者め。おぬしにマネされると困るしちょうどいいから、見せてやるとするかの!」


「え?見れるんですか?」


記憶を送るとかなんか魔法的な凄い奴だろうか?


「なに、ここは神界じゃから簡単じゃ。……ほれッ!」


トリアテ様がおもむろにテレビに近づき軽く一撃を加えた。ナナメ45度ではないようだ。

トリアテ様のお部屋:元は白い空間であり、DPを使って部屋や家具を生成している。8畳の部屋にはベッドとテレビ、パソコンなどの生活品が揃っており、出口からはキッチンやバスルームへ任意に接続可能。これらを売却することはできるが、生成にかかったDPの3割程度にしかならないため望ましくない。ペンギンのぬいぐるみがお気に入り。

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