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君と見た色
よくラブコメ系の小説に、運命的な出会いと言う物がある。
勿論、僕は運命的な出会いなんて信じていなかった。あんな物はただの作り話に過ぎないと、そう思っていた。
僕は平凡な毎日が好きだ。
特に何もなく過ぎて行く毎日が好きだ。
しかし平凡じゃない毎日も良いかもなって、彼女と出会ってそう思った。
僕の生涯最高の、二度と会うことができない、素敵な友達。
授業中、窓から見る空は澄み渡るような青空だった。夏の始まりを知らせるような空だった。
ふと、机に目を落として見る。そこには、宮田 康太と書かれたノート、そして教科書と筆箱が置いてあった。ごく一般的な授業のセットだった。
あと五分ほどで最後の授業が終わる。あとはホームルームをして帰るだけ。
こんな日々が高校に入学してから毎日続いている。
でも今日はどうやらいつもと違うようだった。
「宮田、ホームルーム後に職員室まで来い」
授業の終わりのチャイムとともにそう告げられた。
この日から僕の毎日が変わってしまった。