第六話:威圧
TEAM本社。この日学校を休んで任務に出ていたのは、橘大地、片岡翔、美原紫織の三人である。
この三人に与えられていた任務はいつもの通常任務より少し重大なものだった。
「社長、私達が盗んで来た細胞のサンプル、一体何に使用するつもりですか?」
義臣を前にして紫織が尋ねる。彼女達の今回の任務は「盗み」。普通なら犯罪だが掃除屋の世界では正当化される。
もちろん、場合によっては裁かれるが……
「こいつ? 俺もよく分からないな。化学はかじってる程度だしぃ?」
顔はかなりのイケメンなのに今日は股引きに腹巻姿の社長、篠原義臣は相変わらず抜けた答えを返す。
しかし、この男が掃除屋界最強と謳われるバスターだからこそ、このTEAMには優秀な人材が集まってくるわけだが……
「ふざけないで下さい。勝手にデータを見させてもらいましたが、なぜか快の名前が出てきました。それに社長の細胞まで」
そこまで言うと紫織は圧倒的な覇気に立っていられなくなった。威圧されたのだ、義臣に!
「社長っ!!」
翔と大地も食いかかるが、すぐにその声も掻き消される!
「悪いな。お前達には話せない事情もあるからな。これ以上深入りすることは禁ずる。
だが心配するな、俺はお前達の保護者でもある。だからどんなことがあろうと絶対裏切ったりはしないよ」
そして義臣はいつもの笑顔を向ける。そんなことは分かっているのだが、この時ばかりは不安に駆り立てられるのだった……
それから三人が社長室から退出後、妻の夢乃が部屋に入ってきた。しかし、今日はいつもと少しだけ違った。
「あの子達を威圧するなんて随分ひどい社長ですね」
「理由は聞いてくれるんだろう?」
そう言って義臣は夢乃に書類を手渡した。




