第四十七話:期末試験結果発表
期末試験終了から三日。高校生バスター達の怪我は完治していた。
そして彼等は夏休みを楽しく迎えるための決戦の地にいる。
「やっぱり快が一番か」
「すごいねぇ」
箒星名物、テスト結果上位者張り出しベスト50。相変わらず一位には篠原快、時枝修と書かれているわけだ。
そして高校生バスターの面々は毎回、それぞれの結果を確認しに来るのである。たいてい上位50位に入ってる者達だからだ。
「快ちゃ〜ん! 愛の抱擁してあげる〜!」
「くっつくな! 鬱陶しいっ!!」
白真のお決まり行事も快が一番をとった時の抱擁である。それを首根っこを引っ張って止めるのが紫織だ。
「やめなさい! 白、今回は何を間違えたの?」
「う〜ん、一点が気になるよなぁ」
快達と一点差で色鳥白真の名前が続く。
「どうせ力尽きて一問見逃したんだろ」
「確かに。化学の時間にすぐ力尽きていたし」
白真が一位にならない理由は力尽きてぐったりするからである。
「それにしてもうちのクラスは上位に入る奴が多いよな。快に修、白真は絶対ベスト3だし、紫織も8位だし」
「咲ちゃんも11位だよ! いつ勉強したんだろ?」
全くの謎である。咲は期末試験の勉強をしていた記憶などない。
間違いなくじぶんの今までの知識を総動員した結果だ。
「それに比べて大地と翔、龍二は赤点組か……」
「翔ちゃん数学は百点なのに……」
「仕方ないだろ。他の教科はさっぱりわからん!」
間違いなく数学と体育の時間以外はほぼサボってる結果である。そして結果さえ分かれば当然夏休みの予定に話は変わる。
「紫織、夏休みは温泉に行こう! 混浴」
「嫌よ! 足湯になら付き合ってあげるわ」
さすがは白真の彼女だけあり流し方は完璧である。
「陽子、夏休みになったら墓参りに行こうな」
「うん」
修と陽子にいたってはいかにも恋人らしい空気が漂う。お互いが闘った記憶も、陽子がSHINを殺そうとした記憶もないのだから……
「俺達は補習かよ……」
「頑張れよ、俺は古典だけだからな」
「私も勉強には付き合ったげるよ」
大地、翔、優奈の予定は決定である。ちなみに優奈もテストは20位と優秀である。
「快、ちょっと来て」
「ああ」
浮かない顔をした少女が一人、翡翠だ。
その様子を見ていた友人達が騒ぎ出す。
「どうしたんだ翡翠……」
「ついに告るか?」
友人達の言葉はもちろん違うと誰もが思っていた。
それだけ翡翠の空気が普段と違っていたからだ。




