第二十三話:対面
「ここから先は我々影の管轄です。戻っていただけますか、快様」
咲を助けるために急いでいた四人は足止めを喰らった。TEAM特別部隊の影。そのメンツは龍二も会ったことがない者達だった。
「断る。咲は確かに影の部隊長だが、今回は俺達と同じバスターとして動くんだ。いくら社長命令でも聞くわけにはいかない」
快は凛とした態度で言うが、影達はそれを聞き入れはしない。
「快様、社長命令を着実にこなすのが我々の使命。どうしてもというなら気絶していただきます」
「そんな物騒なことやるな。義臣の命令なら俺が片付けたはずだからよ」
突如はいってきた声に影達は片膝立ちになり頭を下げる。
「龍一おじさん!」
「親父!!」
その場にいた者全てが驚きを隠せなかった。
「お前達はすぐに次の任務に移れ。事態は思ってた以上に厄介なことになってるからな」
元・影の総隊長は厳格な表情で命令を下した直後、影達は闇へと消えていった。
「さて、久しぶりだな。龍二」
「……咲を助けたんだろうな」
少し不服そうな顔をして龍二は父親と向き合うと、
「ああ、だが今度の任務には参加させられる容態ではない。今、夢乃が集中治療を施してるから命は助かるだろうが」
命が保障されたというだけマシといえばマシなのだが、義臣が力を見誤るような任務を咲に与えたという時点で快は不振に思った。
「龍一おじさん、社長は何を焦っている? いくらなんでもらしくないんじゃないか?」
快の意見はもっとも。高校生バスター達は龍一に詰め寄るが、
「快、確かに今回の咲の任務は奴の判断ミスだ。だが、ライ・タナーの本来の実力は間違いなく咲以下だった。咲の時空魔法を破れるものなど掃除屋界でも数少ないからな」
敵の能力を熟知しないかぎり義臣は一人だけに危険な任務を与えない。しかし、それでもここ数日の義臣はどこか余裕が見られないのだ。
「龍一おじさん、本当に親父は大丈夫なのか?」
滅多に見せない快の不安そうな顔は、龍一ですら少しは何か伝えてやりたいと思わせるが、
「快、お前は知らなくていい。今回のお前の任務は細胞バンクの壊滅だ。ただそれだけに力を注げ。そして修、お前が咲の代わりに快のチームに入れ」
夜はまた深くなった……




