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1-10勇者基本からやり直す。

テコ入れ回。シェリーさんがマクラを持ってやってきた!勇者さんひゃっほーい!

 シェリーもしかるべき機関で

魔法を学んだわけではないそうだ。

師匠につき学んだ、と言っていた。


 魔法学校に入学して学園生活を送る、

みたいなイメージだったんだけど。


「学校はある。でも貴族や金持ち商人の子じゃないと入れない」


おお、あるんだ、魔法学校。

制服とかあるの?

女子はブレザー?


「なに・・・・言ってるの?」

ごめん忘れて。


 一般市民は魔法使いに弟子入りして学ぶのが普通なのか。

「そう。弟子と師匠という関係」


 ふむふむ。で、基本ってどうやって学んだの?

「魔法書を読んで実践。

師匠が手本を見せて修正する。

これの繰り返し」


シェリーがここで一つことわりを入れてきた。

どうやら彼女はこの国の生まれではないらしい。


 どこの国出身なの?とたずねても、

それはまたあとで、とはぐらかされた。

詮索はよそう。

美人を困らせてはいけない。


 要はこの国の一般的な教え方と違うかもしれないけど

基本は同じハズだから、ということらしい。


 問題ないです。

ちゃんと言うこと聞くので師匠、お願いします!

お、ちょっと赤くなった。


 まずはくうふうすいの5つの魔法の説明。

転生前に鈴木から聞かされた話と一致してる。


 そのほかに治癒魔法、精神干渉魔法、などがあるらしいが、

一般的ではないしシェリーはできないから教えられないそうだ。


 治癒は癒し系と教わった魔法だろう。

これは機会を見て教えてくれる人を

見つけるしかないな。


 精神干渉は他人の思考に自分の都合の良い

決めごとを潜り込ませる魔法らしい。

奴隷を使ったり、魔物を使役したりする

魔法使いがいるそうだ。


 この辺は鈴木から説明はなかった。なぜだ。


 思い出せば出すほどにうさんくさい男だな。

嘘はついてないようだが、

教えてくれなかった事が多いような気がする。


 なにか意図があるのだろうか。

現時点ではわからないな。


ふうの魔法は見せて貰った。

あれで全力だった?え、違うの?

まあ、限界値はそのうち見せて貰う。

すいもおそらく同レベルでできるんでしょうね。

基本的な制御は出来てるみたいだけど、

見落としてる点があるかもしれないから順番におしえてく。

それとくうの魔法ね」


 それそれ、それが一番聞きたかった。

なんなの?空間をなんちゃらするの?


「なんちゃら?・・・・

空間を切り取ったり差し込んだり、

つなげたり縫ったり」


 縫う?鈴木が言ってことって冗談じゃなかったのか。


「縫う、はジョークだけど」

いや、真顔で言われてもリアクションに困ります。


 まずは魔力制御に関しては段階があり

各段階ごとに決められた課題があるそうだ。

一通り説明を聞いたが、

だいたい自主学習と似たようなもんだった。

 

 どこまで出来るのかを見せて欲しいと言われたが、

人気のない荒野でも探さないと無理だな。


 そう伝えると、討伐依頼で遠征するときに

良さそうな場所を探そうと言うことになった。


「空の魔法は私は使えない。

でも理屈だけは学んだから知ってることは教える」


 それで充分です。お願いします。

「まずは10センチ角の四角い箱をイメージして

その箱を任意の場所に置く」


 やってみよう。

こんな感じかな?


 作った空間をテーブルの上に

置いてあるコップにかぶせてみる。


「コップが消えた」


「消えたね。というか、なぜすぐにできるの・・・」


「ま、まあなんと言うか(汗」


「その空間をテーブルの端に移動させてから解除してみて」


 言われたとおりにやってみると

テーブルの端にコップが出現した。


「次ね。空間をつなげてみようか。

入り口と出口を任意で作ってみて」


 まずは目の前に20センチ四方の入り口を作る。

天井に同じ大きさの出口を作ってみた。


「手をいれてみて」


「おお!天井から手が出てきた」

 

 なるほど。

これもっと大きくすれば人が移動できるんじゃないの?


「もちろん可能」


 ふーん。ちょっとやってみるか。

目の前にドア程度の大きさの空間を作り

テーブルの向こう側につなげる。


 入ってみるとテーブルの向こう側に出た。

シェリーがあきれてる。

「なんですぐできるのよ」


 夕食時に今日の講義を皆に話した。

あれ?なんでそんなに怖い顔してるの?


 ギルバートが説明する。

「シェリーが言ったようにもはや

お前は伝説級の魔法使いとほぼ同レベルだ。

これが知れ渡ってみろ。

軍や王族、貴族はお前を囲い込みたがるだろうな。

もしくは・・・・」


 ギルバートが切った言葉をエドが引き継ぐ。

「抹殺するか、だな」


「えっ。そんな怖い話なの?」


「味方にすれば頼もしいが

敵にすればかなりの脅威だからな」


 しばらくはこのメンバーと

ギルド長だけの秘密にすることに決定。


 明日からは泊まりがけの討伐依頼に出掛けることになっているので

さっさと寝ることになった。


 自室に入り寝る準備をしていると誰かがドアをノックする。

鍵なんてないので、どうぞ!と声をかける。

入ってきたのはマクラを抱えたシェリーだった。


「エリック、お願いがあるの。今夜は一緒に寝て」


 はうあうあー。

い、いいですけどいいですけど、いや大歓迎です。

でもなんで?


「あなたの・・・・を頂戴・・・・・」


 え、なに?良く聞き取れなかったんですが。

やべー、心臓ばくばく言ってる。

もしかして僕、大人の階段登っちゃうの?


~~~~~~~


 チュンチュン♪

雀さんおはよう、良い朝だね。

手をつないだまま寝てるシェリーを起こす。

「ん、おはよ」

「あのー、もう拘束解いていいっすか」


 夕べは手をつないだまま寝た。

手が離れないように長い布で縛り付けてから。


 要は俺から魔力を貰い受けたかったそうだ。

体の一部を一定時間触れ合わせておけば、

魔力の多い方から少ない方に流れていくそうだ。


 授業料の代わりに俺から魔力を

分けて欲しいという話だったのだ。


 そういうわけで残念なことに俺の貞操は守られた。


 さて、朝飯食べたら出発だ。

年頃の男の子には気の毒な話でした。さーせん。

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