第五話 魔法 そのいち
深夜にもう一話投稿します。かなり短いけど。
あと、おかげさまで100PVいってました。ありがとうございます。
前世はそれなりにゲームを嗜んでいた雄一。
(もしここが異世界なら…魔法…あるといいな…)
魔法。誰しもが憧れるものである。
(業火に雷、氷の槍…)
うっとりとしていた雄一だったが。
「アグ、この本そんなによかった?」
マーガレットの声で意識を取り戻すが、時既にお寿司。
「じゃあこの本の続編…『仁義なき子羊の戦い2』、読むね?」
(だからなんでそんなに変な絵本ばっかなんだよおおおお)
声無き声に力はなかった。
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雄一とは彼の前世の名前である。今世での名は、
「こら!アグネウス!」
アグネウス、略してアグ、である。
そんな彼が何故、怒られているのかというと。
「本棚は危ないから近づいたらダメだっていったじゃない!」
というわけである。
(もしかしたら本棚に魔法に関する本があるかも…)
ここ数ヶ月で、大量の絵本を読み漁ってきたアグは、『魔法』という言葉がこの世界に存在するのを知っていた。
空想の産物という可能性もあるが、実在する可能性もまた然り。
「ばうあーあう」
アグはなん語を習得していた。言葉での意思疎通はできないが。
「本?何かの本を探してるの?」
身振り手振りでならぎりぎりできるのである。なん語はおまけだ。
「アグが好きな本と言えば…」
えーっと、と本棚をあさり始めるマーガレット。後ろ姿も美しい。彼の捜し物は見つかりそうにないが。
「あっ、あった!」
一冊の本をぎゅうぎゅう詰めの本棚から力任せに引っ張るマーガレット。意外にも怪力なマーガレットに魅了された本棚は文字通りぐらり、と揺れる。
「あぶない!」
マーガレットが叫ぶ。そんな声を聞きながらアグ…雄一は考える。
(俺、また死ぬのか…)
「止まれえええええっ、えいっ」




