第三十二話 アグの気持ち
今月が終わります。
ストックも終わります。
というわけで、予告通り毎日更新が出来なくなります。スイマセン。
一週間以内には投稿できるようにしたいなぁ。したいなぁ…。
彼、アグネウスは面倒くさがり屋である。
何故か。
小学生の彼は正義感あふれる活発な少年であった。
『ケンカは辞めろ!』
そういって同級生たちの諍いを止めていた。
低学年の頃は。
子供というのは残酷である。
己のものより高くそびえ立つ釘は容赦なく打ち込む。
例えその釘の用途が自分のとは全く違ったとしても。
『授業中は静かにしろ!』
『だったらお前だってうるさいだろ!』
高学年になると彼は同窓生から非難の声を返されるようになった。
後ろ指も多く指された。
『どうして…』
アグネウス、雄一は無気力な青年へと成長した。
『どうせ駄目でしょ。』
そう言って多くのことを諦めてきた。
受験して合格した第二志望の中学校へ進学すると、彼にある出来事が訪れる。
『可愛い…』
同級生の少女に好意を抱くようになった。
(いつまでも諦めていては先に進めない!)
そう考えて告白した。
結果は惨敗。とても悲しかった。
同時に、自分の勇気へ拍手を送りたい心持ちになった。
告白した相手とのその後の交友は寂しいものになった反面、自分を勇める術を覚えた雄一。
高校へエスカレータ式に入学すると、その数は決して多いと言えないが、気の合う友人たちを持つように。
『あいつは糞だ。』
『マジか。』
しかし中学と高校が一貫であるということは彼と同じように中学から上がってきた生徒が多く居るということ。
大半の生徒は雄一に陰口を叩き続けた。
幸運だったのは、雄一と親しくなった相手が彼らだったこと。
『俺らはお前のこと分かってるから。』
その言葉を聞いたとき、思わず涙を零してしまった。
表では悪口の前でも飄々とした態度を取っていたが、精神は確実にすり減っていた。
だから雄一は彼らを大切にした。
その行動は正しかったと、雄一の生まれ変わりであるアグは思う。
一人では得られないもの、成し遂げられない多くのことを学んだし、こなした。
「こんなときあいつらが居ればなあ…」
アグは、闇の中で焼けるように赤い光を放つ夕焼けをみて思う。
揉め事を避けるためとは言え、自分と同じくらいの少女を見捨ててしまうことに罪悪感を覚えていた。
だが、それが正しくないこととも思えなかった。
顔を俯けて再び建物の間を歩く。
自分の判断を評価してほしい。
「お前…どうしたんだよ!?」
聞き覚えのある声。
俯けていた顔を上げる。
沈みかけているはずの太陽が眩しかった。
アグの前に立つは、驚いた表情のプロメテウス。
彼の友人だ。
「テオ…」
「おう、アグ…っておい!本当に大丈夫か!?」
自分の頬を涙が伝うのが分かる。
アグネウス(・・・・・)にも友人は居るのだ。
「ううっ…」
「ううぇえ?」
その場でうずくまるアグを、テオは彼の背中をさすって慰めに入るのだった。




