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第二十一話 バイト

慣れてきたので意識して1000字書くように心がけてみます。

「さて…どうするか…」


アグがストレイ家から受け取ったお金は、入学費、生活費等に充てがわれた。

まだ余裕はあるが、これから先のことも考えると、なにかしら収入源があったほうが良さそうだ。


「バイトか…やったことないんだよな…」


前世は大学生であった彼だが、理系ということで勉強に忙しく、仕事に就いたことがなかった。


「良い求人とかないのかな。」


この世界の新聞は、道端に敷設された掲示板に張り出される。

新聞の隅には広告が載っており、たまに人材募集を行っているものがあることを確認していた。

アグは宿屋近くの掲示板へと向かう。


「執事・メイド…受付…トイレ掃除…引っ越し…うーん。」


いいのがないなあ、と唸っていると、突然後ろから声をかけられる。


「あれ?アグじゃない、なにしてるんだい?」


アグが振り返ると、そこに居たのは宿屋の女将アンナであった。


「やあアンナさん、実は仕事を探してるんだけど、なかなか条件の良さそうなところが見つからなくてね。」

「あーなるほどね。」


そう言うと彼女は考え込む素振りをする。

しばらくブツブツとつぶやいていると、顔をあげ、アグにこう提案をした。


「あんたさえ良ければ家で働かせてあげるわよ?給料は人並みだけど。」

「え!いいの!?」


降って湧いた幸運に彼は天を仰いで雄叫びをあげる。


「けど、雇うからにはき使うからね。」

「望むところだよ!」


彼の闘争心はメラメラと燃えていた。




ーーーーーーーーーー




「仕事舐めてた…」


数日後の夜、食堂の机を拭きながら小言を漏らす。

学校が始まるまでの間雇ってもらう契約を結んだ彼だが、予想以上の忙しさに心が折れかけていた。


「坊主!それが終わったらこっちに来い!」

「了解です!」


調理場とホールの間にかかる暖簾をかきあげて姿を覗かせたのは、アンナの夫、バズだ。

全ての机を吹き終えたアグは小走りでキッチンへと向かう。

キッチンではバズとその部下が明日の仕込みを行っていた。


「お待たせしました!」

「よし、来たか。お前はこいつの皮を剥け。」

「分かりました!」


バズから野菜っぽいものと包丁を受け取り、皮むきを始める。

前世でほとんど家に居ない両親を持っていた彼は、必然的に料理の技術を身につけていた、が。


(変な野菜…)


ニンニクのような形をした野菜に若干苦戦しながらもなんとか剥き終わる。

同時に追加の野菜を渡される。


「掃除だけじゃなくて料理も大丈夫そうだな、じゃあこれ、全部剥いておけ」

「げ。」

「げ、とはなんだ、げ、とは。」

「…なんでもありません。」


カゴいっぱいに収まったニンニクもどきに思わず苦言を漏らすが、これも仕事、と心を鬼にして作業を始める。


彼の仕事は深夜まで続いた。

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