第二十話 入試 そのに
20話です。24時に閑話を投稿予定。
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「合格者はこちらに並んでくださーい!入学届と資料をお配りします!」
入試から六日後、アグは合否を確認するため再びアーノルド王国立学校を訪れていた。
合格者の受験番号が書かれた掲示板の前には、たくさんの人で溢れかえっている。
その中には抱き合って涙をながす者、胴上げをされる者、泣き崩れる者などで、混沌とした状態に陥っていた。
「6078番…6078番…あった!」
アグはよし!、と控えめにガッツポーズをした後、書類を受け取るため窓口へと向かう。
6078と書かれた受験票を係員に渡すと笑顔で迎えられる。
「おめでとうございます!」
「ありがとう!」
各書類の説明を受けたあとは、入学届に記載をするため、学園内の教室へと向かう。
(不正があるとまずいから当日中に、監視の効く教室内で済まさせるんだろうな。)
彼はドアから手近な席に座り、書類に必要事項を記入していく。
名前の欄にはストレイと書かず、アグネウスと書く。
この世界では貴族や大臣など、一定の階級に所属する者とその家族は姓を名乗ることが許される。
彼は既に勘当した身なので、ストレイと書くことは許されない。
全ての書類に記入を終えた後は、再び受付へと向かい提出を行う。
担当した男性は紙の中央部を上からなぞりながら確認する。
「…大丈夫そうですね。はい。今日はこれで帰っていただいて結構です。学校は一ヶ月後に始まりますが、教材の購入は大分先になりますので、そのつもりで居てください。」
「わかりました。」
「では、お疲れ様でした。」
アグはペコリと頭を下げて、門へと向かう。
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「面白そうな子供だったな…。」
彼は眼鏡の奥の瞳をキラリと輝かせ、たった今受理したばかりの書類に視線を落とす。
「アグネウス…平民か、それにしては随分堂々としていた気がするが…一ヶ月後が楽しみだ。」
どの国の平民でも、貴族や大臣の前ではおどおどするものだ、それが例え御曹司であったとしても。
周りを彼らに囲まれているこのような場なら尚更だ。
クククッ、と怪しい笑みを零すが、直ぐに別の合格者が来たことで姿勢を正す。
「おめでとうございます!」
後日学園には、異常にニヤニヤした受付の担当が気持ち悪かった、とクレームが届いたそうな。




