第九話 親 そのに
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手応えが良かったので、これからは23時投稿にします。
ちなみに、今回でプロローグも含めると十話目です。
驚く出来事であったとは言え、まさか自分の横から謝罪の言葉が出てくるとは思わなかったアグ。
「うるさいな…所詮は赤子か…」
(器小さいな!)
どっちが赤子なんだろう、とアグの考える間にも腕に感じた熱さ…今では痛みに変わっているが…は、一向に消えない。
「まさかアグには…いえ…申し訳ございません、ストレイ卿。この子の躾はきちんとしておきますので。」
すっかり怒りを忘れマーガレット。
「ふん…まあ表に出なければどうでもいいのだがな。」
静かにさせることくらい覚えさせておくんだな、という言葉を残して退室する豚。彼の足音が遠ざかるのを確認した彼女は、アグへと向き直る。
「アグ…あなたには魔法の才能があります。」
今も鋭い痛みを発する腕に息を吹きかけるアグへかけられたのは、そんな言葉だった。
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「………うぇ?」
思わず変な言葉が口から漏れる。そんなアグを無視してマーガレットは言葉を連ねる。
「先程私が放った『オーラ』…あれは常人なら少し熱いとしか感じられません」
しかし、と彼女は人差し指を立てて続ける。
「『魔法』に適性がある人なら、その熱さは何倍にも熱く感じられます。」
『魔法』、つまり『魔力』に適正のある人物の身体は、自らのうちに潜む『魔力』にさらされ、一般人よりも敏感に『オーラ』を感じ取ることができるようになるそうだ。
「先程の男性…あれは貴方のそれとは思えないほど醜いですが…貴方の父親にオーラは全くと言っていいほどありません。だから私が、貴方を貶されたことで怒りに任せてオーラを発したとしても、あの男に何ら影響がありませんでした。」
(怒ってくれたんだ…)
アグは、その言葉に耳を傾けつつも、彼女が、自分を貶される発言に対し立腹してくれたことに感激を覚えた。
「一方、貴方は痛みを明確に感じていたようにみえます。このことから考えられる真実はひとつ…」
彼女は一度、指を頭の上に掲げてからズビシィ、という効果音が聞こえそうなほどキレのある動きをさせて、アグを指差す。だから人に指で指したらいけませんて。
「アグには魔法の才能がある!」
「おおおおおお!」
彼の声はご近所さんにも聞こえたそうだ。




