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レッツ!異世界召喚!!
ないもない部屋。部屋というよりは、神殿のような場所だ。あたりは静寂に包まれている。そんな空間の中心に、1人の少女がいた。彼女の名はエリル・スーサイド。「異世界召喚管理職育成学校」の生徒だ。この学校では、卒業する条件として、異世界から人間を召喚し、パートナーとする事を課せられる。(ちなみに結婚とはまた違う。)エリルはその課題に挑戦していた。通常異世界召喚の際には魔法陣を描き、自分の魔力を流し込まなければいけないのだが、エリルは学校の授業では1度も魔力の注入に成功していなかった。だが、これは卒業をかけた試験。失敗するわけにはいかない。魔法陣を描き終え、魔力を注入する
。いつもならこの段階で失敗してしまうが、焦らずにゆっくり、ゆっくりと魔力を流し込んでゆく。そして、魔法陣から青白い光が漏れだした。成功だ。その瞬間、彼女の頬が緩む。
「できた!!成功だ……!よし、やってやるわ!!!もう落ちこぼれだなんて言わせないんだから!絶対すごいの召喚して、みんなを驚かせるんだから!」
彼女は、強く、心の底から叫んだ。
「勇者こいっっっっ!!!」