防具&スキル
俺は、目の前を歩く金髪美女に連れられ、防具店へ入っていく。重く硬そうな鎧から、軽く動きやすそうなのが揃っている。
「どんなのが欲しいですか?」
彼女はそう言ってきた。
「とりあえず、動きやすい服装がいいな」
「でしたら、こちらになります」
そうして案内されたのは、軽装備コーナーだった。
「ステータスは何を重視されますか?」
「う~ん。攻撃重視かな」
「それじゃあ、これですね」
そう言って渡してきたのは、少しボロいコートだった。色は黒。だが、少し色が落ちてきたせいか、所々が茶色くなっている。
「ふむふむ、結構攻撃上がるなー。じゃあこれで」
「わかりました」
コートを持ってレジへ行き、会計を済ませる。
「次は最後です。スキルについて教えます」
「お、待ってました」
ゲームをやるにおいて、スキルと言うのは1番重要になってくるものだ。
「スキルと言っても、この世界にはちゃんとスキルはありません」
「……へ?」
スキルが無い? そんなクソゲーあってたまるか。何かあるはず。すると彼女はこう言ってきた。
「その代わり、我流技があります」
「我流技……」
「実は1個だけ、最初から習得しているんです」
「え? そうなの? えーと、俺のは……」
慌ててスキルを確認する。その名前は……
「二段切り……か。初期だな」
「ですが、そのスキルは成長します。使っていくうちに、あなたに合ったスキルへと進化していくのです」
「マジか!」
なるほど、そう言う仕組みか。
「それじゃあ1人1個までしかスキルが持てないんじゃないのか?」
「いえ、そうではありません。そのスキルは自分で作ることができます。ですので、我流技です。」
「ああ、そっか」
名前を見れば察する事ができるが、俺は言われるまで気づかなかった。
「それでは、スキルの説明は以上です」
「ありがとうございました」
「次に目指す街は、オカリナをおすすめします」
「そうですか、ではそうします」
「ですが、出発は明日の方がいいでしょう。宿をとっておきますね」
気づけば太陽が沈みかけている。
「何から何まですみません」
「いえいえ、仕事ですから」
彼女はそう言い、ニコりと笑った。
案内されてきたのは、少しボロい建物。おそらく、今日の寝床だ。
「それでは、今日はこの辺で失礼します」
「あ、はい。ありがとうございました」
「それじゃあ、良い旅を」
彼女は手を振りながら帰っていった
俺は宿の中に入ってみる。中は意外と綺麗だ。そして自分の部屋へと向かい、ベットに飛び込んだ。
「……今日は疲れたな〜」
ベットに入いると、疲れが一気に込み上げてきた。俺はそのまま、寝てしまった――