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Link  作者: しろがね
第1章 チュートリアル
3/6

武器

「はぁ~、やっと着いた」

 遠くに街が見えたので、とりあえず来てみた。

「さて、情報収集するか」

 街はにぎわっており、色々な食べ物が売っている。ここは商店街のようだ。

「誰に聞こうかな……。あ、あの人にしよう」

 顔を見て、優しそうな人に話しかける。

「すみません」

「はい、なんでしょう?」

 見かけどうり、穏やかな口調の人だった。やはり、人は見かけによる。

「あのー、人を探してるんですけど、知りませんか?」

「冒険者の方ですね。こちらです、ついてきてください」

「え?」

 思わず大きな声を声を出してしまった。なぜなら話が噛み合っていないからだ。冒険者? なんだそりゃ。

 色々な事を考えつつも、その人についていく。

「ここです。では、ご健闘を」

 そう言って帰ってしまった。

「ここは……」

 今俺のいる場所はこの街で1番でかい建物の玄関前だった。とりあえず、入って見る事にした。

 すると、門番らしき人に話かけられた。

「合言葉を言え」

「は? 合言葉?」

 合言葉、そんなのは当然知らない。だが、門番は、こう言ってきた。

「山!」

「え? ……川?」

「通れ」

 ……あっさり通ってしまった。本当にこの合言葉を使う人を初めて見た。そもそもこの合言葉に意味があったのか……

 ツッコミながらも、建物の中に入る。そこはとても広く、正面にはカウンターらしきものが端から端まで連なっていた。

 そしてあまりの天井の高さに、口を開けて眺めていると、カウンターの人から声をかけられた。

「ねぇキミ、ここにくるの初めて?」

「はい」

 声の主は、金髪の美女だった。髪はとても長いが、綺麗に結んであり、まとまっている。

「それでは、この世界について色々教えますね」

「あ、はい。お願いします」

「まぁ色々と言っても、ボイスコマンドで大体解決します」

「ボイスコマンド? そっか、これはゲームだった」

 俺のいる世界は、夢の世界。だが、これはゲームだ。

 つまり、ゲームの夢を見ている事になる。危うく忘れるところだった。

「コマンド、ステータス」

 彼女がそう言うと、目の前にステータスウィンドウが表示された。

 俺も続けて言ってみる。

「コマンド、ステータス」

 すると、俺のステータス情報が書かれたウィンドウが目の前に表示された。

「うお!」

 急に表示されたので驚いてしまった。ふと彼女の方を見ると、くすりと笑っていた。恥ずかしさに肩をすくめながらも、自分のステータスを確認する。

「えーと、熟練度は1。職業は……ん?」

 まず、このゲームはスキル制オンラインゲームらしい。よって、レベルではなく、熟練度が載っている。まだ1だが、始めてまだ間もないので、当たり前だ。だが、その横に書いている職業。なぜか文字化けしていて読めなかった。隣にいる彼女も、良くわからないといったように首を傾げた。

「まぁそれはさておき、こう言った感じでステータスを見たり、装備を変更したり、スキルを習得したりする事ができます」

「なるほど」

「それでは、武器ショップへ案内します」

「あ、はい」

 そう言われ、建物の奥にある階段を降りる。するとそこには武器やら防具やらが置いている店があった。

「武器は何にしましょう?」

「どんな武器が置いてあるんですか?」

「えーと、短剣、片手剣、両手剣、刀、斧、杖、棍棒、槍、弓、そして、聖剣です。職業により、装備出来る武器が異なりますのでご注意ください」

「なるほど、えっと、聖剣と言うのはなんですか?」

「やはり、みなさんそこに目をつけるんですね」

 彼女は笑いながらそう言った。他の冒険者も、気になるらしい。

「ですが、残念ながら聖剣を装備できた人は、一人もいませんでした」

「は、はぁ」

 俺は自分職業を知らない以上、装備出来る武器を知らない。なので、片っ端から装備してみるが……

「これで最後、聖剣だ。……やっぱりダメか」

 全て試してみたが、装備する事ができなかった。

「まさか……素手で戦えと……?」

「……いえ、まだ試していない武器があります」

「え? でも、これで全部ですよ?」

「いいえ、まだ1つだけ残っています……店長、例のあれを」

「……あれを出すのか?」

「こんなケースは初めてです。もしかしたら……」

「……わかった」

 そう言って、この店の店長らしき人は奥へと入っていった。少し経つと、布でできた袋を手に持っていた。その袋を開けると、1つの片手剣が入っていた。

「これは、片手剣じゃないですか?」

「いえ、これは聖剣と対になる存在。武器カテゴリーは、魔剣です。これも聖剣と同じく、装備できた人はいません」

「魔剣……」

 恐る恐る手を伸ばす。すると、剣は赤黒く光出した。

「ダークソウル……」

 この魔剣の名前だ。そして、名前のところに装備中の文字が書かれていた。つまり装備ができたという事だ。

 ここで俺は、1番重要な事を思い出す。

「そういえば……金がねぇ! この魔剣……お高いんでしょう?」

「いえいえ、ゲーム初めた時、お金が配布されているはずです。なにも使っていなければ、それで買える値段です。魔剣と言っても、最初はそこにある片手剣などと同じ強さです」

「なるほど。それじゃ、これください」

「あいよ」

 こうして俺は、魔剣を手に入れた。

「次は防具です。ついてきてください」

 俺は言われるままに、彼女についていく――

 

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