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Link  作者: しろがね
第1章 チュートリアル
2/6

プロローグ2

「――君は……誰?」

「……」

 俺は問いかけてみるが、返事がない。

 彼は全身黒ずくめだった。さらに、フードを深くかぶっているため、顔がよく見えない。

「ちょっと待って!」

 彼は後ろを振り返り、歩き出す。俺はそれを止めようとしたが、その声は届かなかった……

 振り返り際に、彼のフードが揺れ、口元が少し見えた。一瞬の事だったのでよく分からないが、笑っていた気がした……


「……朝か」

 俺は目を覚ました。

「あれは……夢だったのか。でもあいつ……どこかで……」

 夢の中で感じた違和感。俺はあいつを知っている?

「……んなわけないか」

 夢の事はさておき、学校へ行く支度をする。

「おーい、行くぞー」

「今行くー」

 靴を履き、家の鍵を閉め、学校へ向けて歩き出す。

 俺の通う高校と、(ゆう)の通う中学校は、隣どうしだ。なので、いつもこうやって一緒に登校している。

「到着。じゃ、また後でねー」

「おう」

 優と別れ、校内ヘと入っていく。そして、2階にある教室のドアを開けると――

「おはよー」

 教室に入るなり声をかけられた。

 声の主は、俺達のゲームグループの1人、(あき)だった。

「おはよ。あれ、他のみんなは?」

「まだ来てないね……何かあったのかな?」

 いつもは、他に3人のメンバーがいるはずなんだが、姿が見えない。嫌な予感がする。それは、昨日優から聞いた話だ。もしかしてあいつらも……

 そして、チャイムが鳴り、ホームルームが始まる。

「ゲームオーバーか」

「何が?」

「先生が来た、また後で話すよ」

「分かった」


 ――そして、ホームルームが終わり、しばしの休み時間となった。

「さっき話してたのって何?」

 明が聞いてきたので、昨日優から聞いた事を話した。

「そういえば、昨日の放課後に文也(ふみや)がそのゲームの事を話てたような……」

「本当か!?」

「うん」

 これで、他の3人が学校に来ない理由がわかった。

 ――ちなみに文也は、俺達のゲームグループこと、(ジー)攻略団と命名した人である。完全なる厨二病だ。それはさておき――

「実はそのゲーム俺にも届いてるんだ」

「明にもか」

「にもって事は、健人にも届いてるのか」

「ああ」

 明にも届いたようだ。なぜ届いたかは、相変わらず不明だ。

「……どうする? やってみるか?」

 俺は明に尋ねる。

「危なくない?」

「でも……このままじゃ文也達は一生起きないかも知れない」

 そう考えると、いてもたってもいられなかった。

「それでも、危険すぎる!」

「俺の知っている人達が次々眠っていく……。そんなの、黙って見てられない」

「あ、ちょっと!」

「安心しろ。俺は世界1のゲーマーなんだぜ。絶対にクリアしてみせる」

 そう言うと、俺は昨日届いたメールを開き、URLをタップしていた。その瞬間、スマホから目が眩むほどの光が放たれた――



 ――風が気持ちいい。あれ? 俺は確か教室にいたはずじゃなかったっけ?

 そう思い、そっと目を開ける。するとそこは、壮大で、なおかつ綺麗な景色が広がっていた。空を見ると、大きな岩がいくつか浮かんでいる。そこから滴り落ちる水は、太陽に照らされ光輝き、虹のアーチをくぐり抜けて湖に落ちていく。まるで、妖精達が住んでいそうな世界。

「ここは……」

 確かに景色は綺麗だ。しかし、見たことのない世界。

「夢の中……なのか?」

 ゲームを始めたら眠ってしまう事から、そう判断した。

 すると、目の前に透き通ったウィンドウらしきものが、突然現れた。

「うわ、なんだこれ」

 突然の事だったので、少し驚く。そして、恐る恐る手をそのウィンドウに伸ばす。するとウィンドウは、俺の手を貫通した。

「す、すげー」

 そんなどうでもいい事に感動しつつも、ウィンドウに書かれている文字を読む。

「これからあなたには、この世界のどこかにいる、伝説のドラゴンを倒す旅に出てもらいます。あなたの職業――」

 これから先は、なぜか文字化けしてて読めなかった。

「おいおい、大丈夫かよ……」

 そう言ってると、ウィンドウが切りかわった。そこには、新しい文字が書かれていた。その文字は――


「START」


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