第2話オンリーユウ
バイトから帰宅して、すぐ自分の部屋のベットに横になった。
「なんにもない、なんにもない、なんにもない…」
聞いたことのあるCMの歌を口ずさむ。
なんにもない、そう、なんにもないのだ。
私はなんにもない、なんにもない、どこに行っちゃったんだろう?
あのバカは?Charaの曲にあったっけ…どこにいったんだろう?あのバカは。
私はどこにいったの?
毎日、どうでもいいよ。そんなことばっか言ってた私に、ツケが回ってきたのだろうか?
「今日の昼ごはん何食べたっけ?」
こんなだから…こんなだからユウとマリに挟まれて、苛まされて、四苦八苦してるの?
「私は何が好きなの?」
「私は何が嫌いなの?」
「私は何が食べたいの?」
「私は何をしたいの?」
「私は、私は何をどうしたいの?」
そう、私は私の気持ちがわからないのだ。
なんにもない人間になってしまった。
今まで17年間生きていた。
なんかこんな風に言うのは可笑しいけど、本当に17年間、ちゃんと生きて来たのだろうか?お母さんは、私をなんで生んだんだろう?こんな苦しみがあると分かってって、私を生んだのだろうか?こんな思いをするって、分かってたの?
目から止めどもなく海水が流れる。涙って、しょっぱいなぁ。
17年間のツケ、私は私がいないことを知った。