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難易度Ⅱ

どんどん設定が増えていきます

いらない細かい設定ばかりが

これだから行き当たりばったりは

だれだこんな小説考えた奴

 決闘を終えた次の日。俺は冒険者ギルドに早朝から足を運んでいる。

ギルドの中は今日も閑散としていた。さっそく難易度Ⅰの掲示板に行き、依頼を見てみる。

 おととい見た時と同じくらい依頼の紙がコルクボードに貼らさっており、数は全く減っていない。

一枚一枚見ていては日が暮れてしまうので、報酬がよさそうなのを目安に探してみる。


 呪い付きの鎧運搬 300エス ・・・妖しいのでパス。


 浮気相手の女性をつきとめて 200エス ・・・修羅場に巻き込まれるのは嫌だ。


 商人の護衛(若い女性のみ) 1000エス ・・・欲望に忠実すぎ。


 ひと目ぼれをした女性の探索 100エス ・・・自分でやれ。



 碌な依頼が無い。やはり低ランクで高報酬は望めないか。 

そういえば一個上の難易度なら依頼を受けられるって言っていたな。

 さっそく隣の難易度Ⅱの掲示板へと移動する。

難易度Ⅱはざっと見たところ、最低でも80エス、 高いのは2、300と言ったところか。

 その中にも1000エス以上の依頼があったが、先ほどと同様にきな臭い依頼ばかりだった。

適当に重なっている紙をペラペラ捲っていると、採取という文字が書いてあった。


 



  依頼主 薬師協会 


ビルマ洞窟での薬草採取 冬虫夏草5キン、耳キノコ、20キン 依頼を受けてから10日以内に


 報酬120エス 洞窟内の青コウモリの羽を取ってきて来れば一枚1エスで買い取ります。


なお、品は直接薬師協会オズマン支部まで運ぶこと


                難易度Ⅱ



 ビルマとはビルマ湖周辺の事だろうか。ならば近くていい。薬草は森に住んでいたから分かるし、

青コウモリは大した魔物ではないので大丈夫だろう。青コウモリに噛まれるとすぐに身体全体

がしびれ、動きが鈍くなる。それだけなら命の危険はないが、動けないところに大量の青コウモリ

が殺到し、血を大量に吸われてしまうので普通の人は恐れる。自分は毒の耐性が強いため、

万が一噛まれてもなんともない。これは実際に試した事がある(エスクじいさんに無茶苦茶

怒られたが)ので確実だ。依頼書をはがし、受付に持っていくと、いつもの人ではなかった。


 黒い紙に手を置き、本人確認を済ませ、依頼書を手渡すと受付の人は眉根を寄せた。


「ヨウイチさんは、ランク1の依頼を初めてこなしたばかりですね。確かに難易度Ⅱの依頼を

受ける事は可能ですが、もう少し経験を積んでからの方がよろしいかと。

 依頼をこなしても、次のランクに上がるのが早まるわけではありませんし

ビルマ洞窟はとりわけ青コウモリの生息率が高いです。

 油断して死亡する冒険者も少なくないんですよ」


 やはり言われたか。確かに普通ならそうだろう。しかしどうにも今のランクだといまいち

やる気が出ない。もっとこう、遺跡に入ったり、宝を探してみたいのだ。

 

「俺は森で長年暮らしていたので、薬草の知識がありますし、青コウモリなら慣れています。

少々噛まれても平気なくらいには」


 ううむ、と言って受付人は少し悩んだ後、いいでしょうと言ってペンを俺に差し出した。


「では、ここにサインを。はい、結構です。くれぐれもご注意を」


 無事依頼を受けられた。ビルマ洞窟の場所を知らないので受付人に聞いたところ、

ビルマ湖からさらに北に一日程歩いた所にあるという。


まずは山羊亭で食糧を分けてもらおう。






 昼頃にはビルマ湖に着き、漁師たちが使っている樽を勝手に拝借し、テーブルとイスにして

湖を眺めながら昼飯を食べている。

 漁師たちは今全員で盗みを図った村に向かっている頃だろう。

無事に解決している事を祈る。





 どのくらい歩いただろう。すでに日は落ち、辺りは闇に包まれている。

時折狼の遠吠えや、鳥の鳴き声が辺りに響く。

 豊かな草木に恵まれた土地で、時折小川のせせらぎが聞こえる。

普通なら夜間の移動は危険なので朝まで休むのだが、自分は大変夜目がきくし、

 2日3日歩き続けても平気だ。なので夕食を取ってすぐに移動を再開した。

首都から洞窟まで大体3日ほど。依頼は10日以内なので余裕だが、

 早く終わらせてベットと、暖かくて美味しい料理が恋しくなるのでなるべく早く終わらせたい

ところだ。







 ビルマ洞窟は道の脇にぽつっとある小さな洞窟の事で、道の側面に岩肌が多くなってきたと

思ったら、突然ボコボコとたくさん穴が等間隔で空いており、亀裂が広がって出来た穴や、

人が掘った少し大きめの穴が無数にあった。


雨風でボロボロになった看板には ビルマ洞窟群 コウモリ注意  と書いてあった。


 どこの穴とは指定されなかったので自分で探すしかないだろう。

 昨日は夜通し歩き続けたので朝方には到着しており、夜行性の青コウモリが活発に

なる夜中までに終わらせてすぐに帰る予定だ。


 とりあえず一番近い穴に入り、どの程度なのか確認するとしよう。



 一番最初に入った穴は1メートル程しかなく、耳キノコがわずかにある程度だった。

何箇所か探索したが、どれも大した奥行きが無く、少量の耳キノコが採れるだけだ。

 

 耳キノコはウサギの耳のように細長い傘が特徴で、食用であると同時に乾燥させて

粉状にすると解熱剤として使われている。日の当らず、湿気の多い場所で繁殖する。

 どこにでも生えるのですぐに集まると思っていたが、誰かが採ったばかりのようで、

今の所10キン程しか集まっていない。ちなみに1キンは大体青銅貨1枚位の重さの単位

だが、一般では手のひらいっぱい分とか、袋一つ分といった具合で取引する。

 

 もっと採取しづらいのは冬虫夏草。

これは土の中の昆虫に寄生するキノコで、成長速度が遅いため、少量しか採れない。

しかし、地脈の魔力の近くにあるものは成長もはやく、大きな物が採れる。

 ここビルマ洞窟も周囲に地脈が走っており、よい薬草採取場になっているらしい。

これも未だに一つしか見つけておらず、あと5つ採取しなければならない。




 昼休憩をはさみ、午後も探索を続けているが、まだすべてそろっていなかった。

耳キノコは大きめの革袋に満杯になるまで採れたが、冬虫夏草は今だに2つ。

 正直見通しが甘かった。他にも採りに来る人はいるはずなのを全く考えていなかった。

洞窟内は非常に狭く、人ひとり分の幅しかなく、ところどころ身体を横にしなければならず、

 そんな中に長時間こもり、徒労に終わり、また別の洞窟に入るという作業は、

肉体的には平気だが、精神的にきつい。




 日が暮れてきた頃には冬虫夏草が4つ集まった。後二つ。完全に日が落ちても数が

そろわなかった場合は中断し、明日の朝やればいい。十分間に合う。

 青コウモリを相手にするのは大した事ではないが、数が多いとうんざりするので

夜の探索はなるべく避けたい。



 「あった。あと一つ~冬虫ちゃんあと一つ~」


 日が完全に落ちてしまった直後に一つ発見し、残り一つとなった。

 なんだかずっと一人で真っ暗な中にいると無意識に意味不明な言葉を発していた。

本能的に恐怖をごまかしているのだろうか。


 「どうしよう。残り一つだけど、続けようかな」


 最初に入った所から大分離れた穴は、入口は狭いが奥が深く、100メートルほど進んでも

まだ先があった。分かれ道が無数にあり、これ以上は迷子になった場合を考えて進むのは

やめた。それに分かれ道の手前は少し開けており、地下水が漏れているのか一番ジメジメ

しており、色んなキノコが自生している。ここならすぐ見つかりそうだ。

 今まで2匹の青コウモリが出てきた位で問題はない。続けることにしたのだが。



 異変に気付いたのは最後の冬虫夏草を見つけ、ナイフで土を慎重に掘っていた時だった。


 洞窟の奥から3匹の青コウモリのバタバタと飛んできて、襲ってきた。

とっさに持っていたナイフを後ろに跳躍しながら横に振る。

 一匹が胴体を裂かれ地面に落ち、しばらくバタバタとのたうちまわると静かになった。

残りの二匹が自分の頭上を旋回して、左右から挟むように急降下してきた。

 ナイフを瞬き一回分程の早さで上空に二度の突きを繰り出し、正確に刃を青コウモリの

胴体を突き刺した。刺した勢いで血を噴き出しながら前方に投げ出される青コウモリ


 おかしい。今の攻撃は連携が取れていた。正面から突撃し、すぐに頭上から挟撃してきた。

青コウモリにそこまでの知性はない。偶然か。別の魔物かとも思ったが、ダークブルー

の毛は確かに青コウモリのものだ。大きさも普通のコウモリの2倍程。格別大きい

わけではない。


 地面に転がっている死体を見ながら黙考していると、また羽音が聞こえた。

先ほどと同じく、複数のコウモリが羽ばたくバサバサという音と、もう一つ。

 ドシ、ドシ、という何者かの足音。まさか他にも人が?


 奥の別れ道の一つから、ぬっとそいつは顔を出し、俺をギロリと睨みつけ、こちらにゆっくり

と近づいてくる。



 睨みつけた目玉は四つ。顔横一列に黒目だけの目玉が四つ並び、耳の後ろまで避けた口

は、ナイフが無数に生えているような牙を生やし、よだれをたらしながらその牙を俺に見せつける。

 腕の下にはコウモリと同じく薄い膜が生えており、手の指の爪が異常に伸びている。

体中黒い毛で覆われているが、頭部の大きい耳だけは毛が無く、血管が薄く透けて見える。


 コウモリ男。自然とそんなことを思った。もちろんそんな魔物をいるなんて聞いた事はない。

ただ、筋骨隆々な男とコウモリを半々で割ってくっつけたようだったから。


 俺は近づいてくる化け物を前に、固まっていた。

10メートル程まで近づいてきても俺は動かない。

いや、動けない。


「ギッギギギィイイイ!!!!!」


後ろに無数の青コウモリを従え、近づいてくる化け物。




俺はこの時、初めて本当の恐怖を感じていた。


 






最近寒かったり暑かったりですね。

みなさん体調はどうですか?


わだじばげんぎでず


鼻水とまんねえええええええええええええええ

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