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ビルマ湖

 依頼主 ビルマ湖漁業組合 


養殖魚盗難被害防止 ビルマ湖での夜間の見張りです  至急求む


 報酬30エス 朝、夕食支給あり 期間1日


                     難易度Ⅰ




 確かここから東にちょっと行った所にあるのがビルマ湖。確か川魚を養殖していて、それを塩漬け

した物が有名。山羊亭の朝食として出てきた。脂の乗ったアユみたいな魚でおいしかったな。

 白い米が欲しかった。話を聞いたところ、女将さんの弟がビルマ湖で漁師をやっているらしい。

そんな話を朝したばっかりなので目に引っかかった。

 これでいいか。徒歩で日帰りできるぐらいの距離らしいし。

さっそく受付にもって行き、また黒い紙に手を置いて名前を言う。これは本人確認のときは必ず行う。

(人間の体内魔力の通り道は一人ひとり違うため、それを本人かどうか確認するためらしい。

要は指紋みたいなもの)

 依頼書にサインをし、道順を聞いた。片道3時間ほどで着く。近くてよかった。

この世界は基本的に歩きがメインになる。隣の村や町まで2日3日かかることはざらで、

山奥の集落なんかは10日以上かかるところもある。ビルマ湖は歩いてすぐ、といっていいぐらいに

近い。


 一度山羊亭に戻り、女将に依頼で2日帰って来ないことを告げ、帰ってくるまで部屋を取っておいて

欲しいと言い、さらに一日分払おうとしたが、前金で二日分もらっているのでその一日分はただで

いいと言ってくれた。好意をありがたく頂き、水筒に水を入れてもらい、干した木の実と肉を少量

譲ってもらい、さっそく出発した。

 今の気候は秋に入り始めなので暑すぎず、寒すぎずで移動が楽だ。

自分が入ってきた南門(ムブラ村はオズマンから南南西の場所)とは反対の北門から出て、街道を

二時間ほどまっすぐ行って別れ道を右に曲がり、一時間ほど行くとビルマ湖だ。

 ビルマ湖に近づくにつれて緑が増えていき、牧草地帯のような場所もあった。

これには、魔力の地脈と言われるもの大きく影響していると言われているが、教えてくれたエスク

じいさんも詳しいことは知らないらしい。冒険者にはあまり活用する場面がなさそうなのでいいのだが


 途中で小休憩をとろうと木陰に腰掛けると、ちょうどいい温度と風のせいで眠ってしまった。

まあ別に何時までに来いとかはこの世界にはないし、夜間の見張りと書いてあったので遅くとも

夕方までに着けばいいだろう。あと一時間ほどで着くだろう。今は昼ごろだ。一日二食が基本だが、

腹が減ったら軽食を食べる人も大勢いる。宗教的理由で食べない人もいるらしいが、自分は大勢の

中の一人だ。持ってきた干し肉を食べて、デザートに木の実を食べた。


 のんびり歩いても夕方前には到着し、湖の目の前にあるちょっと大きい掘立小屋をノックした。

中から、ひげを蓄えた筋肉質な男が出てきた。俺は早速依頼書を見せるが、男は年若い俺を一瞥し、

眉根を寄せて、本当に大丈夫か?と聞いてきた。森で狩りをしていたので大丈夫ですよと言うと、

 そうか、といって中に通してくれた。詳細を聞くと、けっこう被害が大きいことがわかった。


 今の季節はここの魚の産卵シーズン(一年に春、秋二回生むらしい)で、稚魚を増やすための大事な

時期らしい。その子持ちの湖魚(ここの魚の名前)を狙ってなに者かが夜な夜な盗んでいるという。

 エスケンス王国としても大事な税の収入源なので、一度軍を派遣し、警戒にあたらせたが、

警戒されて姿を見せず、結局犯人は捕まらなかった。そしてしばらく盗難被害はなかったのだが、

 数日前からまた始まったという。


「最初は周辺の森に住む獣の仕業だと思っていた。別にそれなら気にしなかった。俺たち人間が独占

するわけにはいかないし、大した量でもないしな。だが何日かして、メスだけが大量に減っていた。

俺たちは必ずメスとオスのバランスに気を使っていたから、これはおかしいと思ったんだ。

 そのあたりに、ここの近くを夜中に通った行商人が不審な人物を見た。夜中に靴がずぶぬれで

、背中に大きな樽を背負った二人が足早に去って行ったと。今はまだなんとか許容範囲だが、これ以上

やられたら来年の漁に影響が出る。前は大体5日前だった。今夜あたり来るはずだ。俺たちも

交代で見張りをしてるんだが、いかんせん人も少ないし、湖は広い。人を雇うにもあまり金はないし、

国も次に派遣できるのは次の月だと言うし。あと5人は欲しいんだが、今日はあんた一人だけみたいだ

。」


 頭を抱え、黙ってしまう男。確かに、湖は広い。左右が絶壁で挟まれ、少し細長い湖は縦に

長い。といっても幅は400メートル以上はあり、全長3㌔はあるだろう。水はきれいな青色で、

深いところで俺の身長位か。船がなくても魚を採って運ぶことはできそうだ。


 ふむ、どうしたものか。依頼は見張りだが、世話になってる人の知人がいるところ。

なんとか力になってやれないものか。なにより朝食で食べた焼き魚が食えなくなるかもしれない。

 俺は木の椅子に腰かけ、しばし考える。日が暮れるまで3時間ぐらいはある。

すこし考えることにした。

なんか自分がかくとすごい地味になる

もっと派手でかっこいいものが書きたいのに

どうしてこうなった

楽しんでもらえたら幸いです

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