ななしのよる 8
その公園は、どこの街にでもあるような、これといって変わった所のない普通のものだった。
なのに僕はどうしようもない懐かしさを感じていた。
ブランコとジャングルジム。
小さなすべり台に小さな砂場。
どこにでも見られる、普通の児童公園。
この懐かしさは誰もが持っているものなんだろうか。
いくつか立ち並ぶ電燈の光に当てられて、遊具が寂しく、ポツン、ポツンと浮かび上がっていた。
こんな夜中に誰かが遊んでいるわけもなく、物音一つない公園は、やけに静かに感じた。
僕の足はなぜだか公園へと引かれ、そのまま抵抗することもなく敷地へと一歩足を踏み入れた。
さっきまで止まっていたブランコが揺れていて、キイと音を立てていた。
風かと思って見ていると、ブランコの揺れは、どんどん大きくなっていく。
せせらぎのような笑い声が、耳をくすぐった。
遠くから聞こえてきたと感じたその笑い声がは、少しずつ、僕の周りからぼんやりと現れる。
その声と共に、おぼろな光の影が、僕の周りを走っていた。
見回すと、淡い光を放つ子供達が、遊具で戯れていた。
子供達は皆楽しそうに笑いながら、青白い燐光を夜に咲かせていた。




