ななしのよる 7
道は、街の灯りで照らされ、夜を向こうに沈ませる。
その向こうへと、僕は歩く。
ただ、道のゆくままに、足を進める。
時折止まると、離れていた子犬が追いついてきて、黙って僕を見上げる。
また歩き出すと、子犬もそのあとをついてくる。
僕は少し歩をゆるめ、子犬の横を歩いた。
どの道をどう歩いているのかはわからなかったけれど、僕の足は夜を追うように惑いなく進んでいく。
僕は夜の闇へ運ばれていくような感じを覚え、こわくなって足を止めた。
うつむいた目だけで周りを見ると、細い道に入っていて、少しさびしい所にいた。
やせた街灯のたよりない明かりと、遠くに感じる家の窓の光。
その光は、僕がもっと小さかった頃のことを思い出させた。
人影はなくなり、ここにいるのは僕と、横にいるちびだけだった。
僕はここから逃げ出したくなって、また歩き出すのだけど、奇妙にねじ曲がったように見えるその細い道は、僕をどんどん懐へと引き込んでいくようだった。
歩くほどに、時間をさかのぼっていく感覚。
僕のどこかで知っている風景。 道。
そうしてたどり着いた先にあったのは、ぽつんと切り取られた、小さな夜の、児童公園だった。




