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ななしのよる 3
楽団――聖歌隊だろうか。
子供達が手に持った鈴をゆらすたびに、背にある小さな可愛い羽根が、上に下にと羽ばたいている。
鈴の音が楽となって僕の耳に流れてくると、そこに子供達の声が次々と織り重なり、つむがれていった。
ただ黙って子供達の動く口を眺めていた僕は、自分の鼓動がどんどん疾くなっていくのを感じていた。
それに合わせて呼吸が荒くなり、動悸とあえぎに変わっていく。
指先や、足のつま先が痺れ、頭が朦朧となり、僕はどうしていいのかわからない。
そして、突然の胸の痛み。
まるで心臓が誰かの手でわしづかみにされ、にぎりつぶされるような感覚。 痛み。
――ああ・・・・!
僕は痛みに耐えられなくなり、その場に崩れた。
胸の辺りをつかむのだけれど、痛みは消えない。
うずくまって、両の耳を押さえた。
――なにこれ・・・・ もうやめて!
僕の中にある痛み。
消えない、逃れることもできない。
忘れることもできない。
心の痛み。
――聞きたくない!
僕は走り出した。




