表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/29

ななしのよる 18

 どうしてこんなものをくわえているのか、僕にはわからなかった。


 ここに落ちていたものを拾ったのだろうか。


 子犬はただ黙って愛くるしい顔でそれをくわえている。


 僕は子犬のくわえている切符を手に取ってみたのだけれど、それはぼんやりとかすんでいて、何が書いてあるのか僕には読めなかった。


「それはその子の切符だから返してあげてね」


 女の人がそう言った。 だけど、僕には何を言っているのかわからなかった。


 女の人は少し困ったような笑みを見せながらも続けてくれた。


「切符がないと列車には乗れないの。 

 その切符は初めから持っているものだから、列車の中で買ったりすることもできないのよ」


 僕は切符なんか持っていない。


 いや、もしかして持っているかもと思い、ポケットの中を探してみた。


 だけれど、いくつかの小銭が入っていただけで、切符は持っていなかった。


 ――どうして……?


 子犬の方を見ても、そんな僕をただ黙って見つめているだけだった。


 そして僕は、だんだんと、この意味に気づき始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ