10/29
ななしのよる 10
どうしてだろう。
あの子はどうして一人だけの世界で遊んでいるんだろう。
あの子の目には、ほかの子達がどう映っているんだろうか。
別の世界の怪物だろうか。
それとも悪い宇宙人だろうか。
僕には、あの子の目に映るすべてが、敵として見えているんじゃないかと思えた。
あの子は、仮想の敵と遊んでいるんだ。
僕の目には、あの子の目を通して見えている世界が見えていた。
そこは、とても寂しい世界だった。
明かりが消えていく。
一つ、二つと、星が朝もやの空に溶けていくように、子供達は夜に消えていった。
一人、明かりが消えるたびに、公園はもとの静けさを取り戻していく。
そうして、ガランと穴のあいてしまったような黒い空間が、そこに残った。
冬の枯れ木のような公園は、ただ一つのうつろな燐光を、その闇にはらませていた。
消えかかりそうな夜光虫の蛍火が闇に包み込まれ、いだかれるように。
ただ一人、僕達以外誰もいなくなった公園で、遊びにふける子供。
残った笑顔は、無機質な月の光にさらされ、冷たく透けていた。




