009 ミラクルプリンセス
6月5日11:45、マルタ島海水浴場
そこでアラン刑事と待ち合わせするべくアンジェ達がいた。予めアランの顔写真を入手していたアンジェは写真を持って海水浴場を歩いている。
みんな水着姿でしかも全員魅力的な美少女のためかなり目立っていた。
(やっぱりこの姿だと目立ってしょうがない。)(英語)
(我慢しなさい。これぐらい目立った方が早く合流出来るでしょ。)(英語)
水着姿が恥ずかしいのか照れているユキカゲに対しアンジェは敢えて目立つように闊歩している。すると、数人の男達が近付いてきた。どうやらナンパしようとしているみたいだ。
「お姉ちゃん達さぁ、ここにくるの初めて?」(イタリア語)
「もし良かったら俺達が案内してあげるよ。」(イタリア語)
いきなりのイタリア語に話せないアンジェ達は黙って微笑むだけで対応した。すると、彼女達の肩に手をかけた男がナンパした男達に話しかけた。
「悪いねぇ坊や達。彼女達は俺の連れだ。彼女達を落としたいなら俺よりいい男になるんだな。」(イタリア語)
そう言って男は高級腕時計をチラつかせた。それを見た男達は渋々去って行く。アンジェが男を見ると写真と同じ顔をしていた。彼が合流する予定のアランだった。
「やぁハニー。写真で見るより麗しいじゃないか。」(英語)
「あら?あなたもナンパ?」(英語)
「まぁね。こんなに美しい女性、ナンパせずにはいられないさ。」(英語)
「それで例の護衛対象は?」(英語)
「つれないなぁ。今から案内する。ついて来てくれ。」(英語)
そう言ってアランはアンジェ達を乗せて走り出した。後ろにリン、ターニャ、ユキカゲが並んで座る。運転しているアランの隣に座ったアンジェが詳しい内容をアランに聞く。
「それでその護衛対象って誰?何故か私達には詳しく聞かされてないのよ。」(英語)
「見れば分かる、かな?彼女は気難しくて俺じゃあ失格みたいでな。でも君達なら絶対OKだよ。」(英語)
「彼女って女性なのね。」(英語)
「そう。レベッカ•キュリー。ノーベル賞を2度受賞しているあのキュリー夫人の子孫だ。」(英語)
(アンジェ、キュリー夫人って誰?)(英語)
(えっと、インドラ、お願い。)(英語)
ユキカゲの質問に答えられなかったアンジェはインドラに連絡する。インドラはやれやれという感じで説明を始めた。
(キュリー夫人は女性で世界初のノーベル賞受賞者であり世界初の物理学と化学の2つを受賞した偉大な女性よ。)(英語)
(す、凄いわね。)(英語)
「それで彼女もノーベル賞受賞者ってことでいいのよね?」(英語)
「もちろん!彼女は化学と生理学・医学の2つを受賞している。さらに今年、平和賞受賞者になるだろうと言われている時の人だよ。」(英語)
「なんで平和なの?」(英語)
「それは彼女の功績が大きいからよ。なんせ、彼女は核分解及び浄化システムを確立させたからな。」(英語)
「凄いわね!」(英語)
「だろ?着いた。ここが平和賞受賞するだろう時の美少女レベッカが泊まっているクリスティーンホテルだ!」(英語)
6月5日12:30
アランがあるホテルの前に車を止める。一目見ただけで最高級クラスのホテルと分かるぐらいのゴージャスなみたいのホテルにユキカゲ達は見入っていた。
アランがホテルマンと思われる男性に警察手帳を見せアンジェ達が入れるように手配した。
「じゃあ作戦通りにユキカゲとターニャとリンは外で待機、マリアは私と一緒に来て。」(英語)
「「「了解。」」」(英語)
アンジェとマリアはアランの後ろを着いて行く。魔当たり前だが周りには大量の警官達がいる。皆、ライフルかど重装備で常に監視している。アランはエレベーターに乗り込み上に向かう。
「このクリスティーンホテルは112年前に建てられた老舗ホテルで•••」
「ホテルの説明よりレベッカの説明をしてくれないかしら?」(英語)
「参ったねぇ。暇さえあればここでデートなんてどうって聞きたいのに。」(英語)
エレベーターから降りると警官達が敬礼した。そのまま進むと一際警戒が厳重な部屋に着いた。アランはその部屋の前に立つとノックした。
「アランです。あなたの要求通りの護衛を連れて来ました。」(イタリア語)
「入って。」(イタリア語)
許可が出たようでアランはドアを開けて二人を部屋に入れた。部屋に入ると丸眼鏡をかけた女性が何かの資料を読みながらこっちを向いた。彼女が今回護衛対象となるノーベル賞受賞者レベッカ•キュリーだ。
レベッカはアンジェとマリアをジロジロ見回すとクスッと微笑んだ。
「一応合格ね。警察もやるじゃない。」(英語)
「初めましてMs.レベッカ。私はIAWOから派遣されました。アンと申します。彼女はマリーです。よろしくお願い致します。」(英語)
「マリーです。」(英語)
「よろしくね。やっぱり近くに居て欲しいのはむさ苦しい男より可愛い女の子ね。」(英語)
二人はそれぞれアンとマリーという偽名を使って自己紹介した。すると、レベッカはアンジェに顔を近づけた。
「ねぇ。あなた、日本語できる?」(日本語)
「え•••(英語)に、日本語?」(日本語)
「あら残念。」(日本語)
「ちょっと待ってください!」(英語)
いきなり日本語で話されたアンジェは廊下に出るとすぐにユキカゲに連絡した。
(ユキカゲ、今すぐ来てくれ。)(英語)
(どうしたの?)(英語)
(頼む。)(英語)
(い、いいけど。)(英語)
ユキカゲは連絡を切るとターニャとリンに説明してその場を離れた。ホテルに入るとエレベーターからアンジェとアランがやってくる。二人はユキカゲをレベッカのところへ連れて行く。
ユキカゲがレベッカの部屋に入るとレベッカは嬉しそうに彼女を見た。
「へぇ。IAWOって凄いわね。日本人も用意してくれるのね。」(英語)
「ユキと言います。」(英語)
「よろしくね。」(日本語)
「よろしくお願いします。」(日本語)
ユキカゲはお辞儀をする。すると、レベッカが机の上に置いてあるノートパソコンを持ってユキカゲに見せた。
「ねぇユキ。あなた、このアニメ知ってる?」(日本語)
そう言って見せたのは”ミラクルプリンセス“と言うタイトルのアニメだった。ユキカゲは知らないと首を横に振る。
「あら残念。このアニメ、私好きなんだけど日本語版しかないのよね。だから日本語が上手くなったんだけどね。」(日本語)
レベッカはそう言うとアニメを流し始めた。
「このミラクルプリンセスはね、放浪癖のあるある国のお姫様が身分を隠し2人の従者と共にいろんなところへ行って世直しをする痛快ファンタジーなの!主人公のミラがとにかく可憐で強くて可愛くて何よりも自分に真っ直ぐで絶対に曲げないところがいいの!しかも彼女の相手は国を滅ぼそうとしたり私欲のために民衆を苦しめるような奴ばかりだから倒して爽快感が凄いのよ!そうそう!それとね••••••••」(日本語)
あまりにも熱弁するレベッカにユキカゲがたじろいでいるとアンジェとマリアがそ~っと部屋を出ようとした。
「ちょっと待ってれ私を1人にするつもり!?」(英語)
「いやだって私達じゃ日本語がまだ疎かなので•••」(英語)
「ユキ、作戦変更よ。あなたが直接彼女を護衛。私とマリアはホテル内、ターニャとリンはホテル外を護衛ってことに•••」(英語)
「逃しませんよ。分からないなら私がしっかりと日本語とこのアニメを教えますのでここにいてもらいますよ。」(英語)
「それいいわね。私もまだまだミラクルプリンセスを話し足りないと思っていたところよ。」(英語)
ユキカゲとレベッカに掴まれたアンジェとマリアはすぐにアランに助けを求めようとするが彼ほ既に部屋から出てドアを閉めてしまった。取り残された二人が恐る恐る振り向くとニコニコしているユキカゲとレベッカがいた。そのまま二人は延々と日本語教習とミラクルプリンセスの布教をされるのだった。
6月5日13:13
その様子を遠くの建物から望遠鏡で見ている男がいた。
「もしもし、こちらキッドナッパー、どうぞ。」(英語)
『キッドナッパーってそのまま過ぎるだろ。もう少しひねったコードネームにしないか?』(英語)
「じゃあナッパ。」(英語)
「何故?•••まぁいい。それで状況は?』(英語)
「面白いことになった。例のカワイイスパイ達がホテルにいるぜ。」(英語)
『ほぅ。確かに面白い。運命を感じそうだ。それで予定通りにいけそうか?』(英語)
「問題無い。明日、決行する。」(英語)




