とあるどこかの高校生達のバレンタイン
昔に書いたやつがあったので引っ張りました。
初投稿です。
拙いですがよろしくどうぞ。
バレンタイン。
それは、年頃の男子女子共に落ち着きがない日となっているだろう。
だがそれに準じないものも少なからず存在する。
「なあネイよ。今日は俗にいうバレンタインという日らしいぞ」
「あ、そうだっけ?でもそんなのヒロとか私には関係ない話だけどね」
「まあ確かに。ただの平日だよな」
そんな花の高校生らしくない会話を登校中にする俺達。
行事などに積極的に参加せず、怠惰を貪ることに定評がある俺達には関係のない行事だな。
***
放課後。
俺達は帰り道にあるコンビニに寄っていた。
「あ。チョコ売ってる~」
「チロルチョコはどこでも売ってるだろ」
そんな益体のない会話をしていると、ネイが、ふと思い出したかのように、ふいっとこちらに顔をを向いてきた。
「ん?どうした?」
「ねえねえ、バレンタインってさ。普通は渡す人に自分の気持ちとか愛情を伝えるためにやるもんだよね?」
「ああ。そうなんじゃないんか?」
多分そうだろう。貰ったことがないからわからないが。
「じゃあさ。これあげるよ」
そう言って渡してきたのは、さっき見たチロルチョコだった。
「ん?おお、ありがとう。でも意外だな。ネイってこういうことしないと思ってた。実際、朝聞いたときも興味なさげだったし。」
「うん?しないよ?興味もないし」
――?
俺が頭の中ではてなマークを散らしていると、ネイが含み笑いでこう言った。
「だからこれは、これからも仲良くしようねってこと。LOVEじゃなくてLIKE。普段やらないからこういうのっていいんじゃない?
それに、ヒロの反応も見てみたかったし」
「――ああ、なるほどな、合点がいった」
するとネイがふふんっ、と謎のどや顔をしてきた。
なんかしてやられたのがむかつくのでやり返してやろう。
「ほら。やるよ」
「ん?とっ……。急に投げないでよ……チョコ?」
俺が渡したのはネイからもらったチョコの色違いだ。
「……これはどういう意味?」
「こちらこそ末永くよろしくの意」
「――ふふっ」
「おい笑うな」
「いやだって……!ヒロこういうのしないじゃん……!ふふっ」
「……お互い様だろ」
そうして俺達はお互いのチョコを交換し合って、食べながら帰った。
そのチョコは、たまに食べるチョコよりも苦くて、ほんの少し甘かった。
昔書いたやつとはいえ季節外れだし短いね!反省!