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こんにちは異世界

息抜きに書いた小説です。

帰宅こそ私の青春であった。


私、田中圭吾は生粋の帰宅部である。中学の入学式後の部活説明会を受けた後も頑なに帰宅し、学生の本分は勉学であり、部活動など暇を持て余した男女が淫らな行為に走らないように学校側が作った機関であると自分自身に言い聞かせてきた。


名前からしてわかるように日本全土で平均をたったら私とうりふたつの外見をした人間ができるのではないかと思われるほど平均的な外見をしており、帰宅部で鍛え抜いた足腰は後期高齢者を彷彿とさせる状態であった。総合的な人間としての評価は下の上といったところである。

せめて1つ人より優れているところをあげるとするならばそれはやはり勉学であった。

毎日、教室から一番にでて帰宅する私は、必然的に時間を持て余し周りより多くの時間を勉学に注ぐ事が出来た。


そのおかげもあってか地元では一番の進学校に入学することが出来た。

そして高校2年生になり、相変わらず帰宅部として誰よりも早く家に帰る私にある日、劇的な異変が起きた。

それは、朝のホームルームが終わりいつものように自称、帰宅部のトップアスリートとして名高い4人で駄弁っている時だった。


クラスの中で悲鳴が上がり始めどうせまたゴキブリでもでたのだろうと思いながらもそちらに目を向けた時だった

唐突に目も開けられぬほどの眩い光に覆われ女子の甲高い悲鳴が耳に響いた


(うるさいっなんで女って奴はすぐに悲鳴をあげるんだ)

私が心の中で毒づいているとやがて光は分散し周りが見えるようになってきた


そこは、まるで御斎話のなかのような空間であった

体育館ほどの大きさの部屋の中は豪華な装飾が施されており、平凡な家庭に生まれた私には何とも形容しがたい光景であった

そして、目の前には品のいい老人とその護衛と思われる2人のガタイのいい男がいた

3人とも武器のようなものは持っておらず、皺1つない綺麗なシルクのような布でできた服を着ていた。イメージとしては大企業の社長とそのボディーガードのような感じだった


そこからは堅苦しい挨拶とこれまた堅苦しい説明があり、かいつまんで説明するとこの国では魔王と呼ばれる存在がおり不定期でこの世界に出現する

そして魔王が出現するたびに異世界から勇者を呼び魔王と勇者を戦うという伝統があるらしい。そして、異世界の勇者は1人1つどつ特別な力が与えられ、その力は自分たちの世界で得意としていたものに影響されると言うことだった。

いかにもテンプレである

私はその手の小説はあまり読まないがそれでもそんな設定はよく聞くことがある


「お話は分かりました、でも私たちは学生です。いきなり人類のために戦えと言われましてもすぐには決められません」

何という名前か忘れたが、クラスの中心的メンバーである男子が答えた


返答までテンプレだな・・・と傍観者を気取って考えていると帰宅部のナンバー2、鈴木がコソコソと話しかけてきた。


「やったな!異世界転移だ!おれの豊富な異世界知識から考えるに俺たちのチーレム生活がはじまるぞ!」


ドン引きするぐらいのハイテンションである。こいつには危機感というものがないのだろうか?チーレムという言葉は聴いたことがなかったが間違いなく聞くことの造語でもないだろうとスルーする


「落ち着けっ!お前が良く読んでいる小説と一緒だとは限らんだろう。状況が落ち着くまでジッとしてろっ」


少しイラつきながら私がそう言うと鈴木は大人しく私の後ろにたった。しかし、若干ソワソワしているようにもみえるし、いざと言うとき私を盾にするため後ろに立つとは、こいつもなかなかいい根性をしている。


「これより鑑定の儀を開始するっ」


私が田中の与太話に付き合っている内に話が進んだみたいで鑑定の儀とやらをすることになったらしい。鈴木は相変わらず私の後ろにいて、鑑定の儀という言葉を聞いた瞬間からニヤニヤしていた。


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