魔王、逃亡する
あれ?よく考えたら、我はもう逃げればいいんじゃないか?
我はノロイを追いかけるフリをして、裏路地に入る
「やった!これで我は自由だ!」
そういった時、腹の虫がぐ~っと鳴った
そういえば、金もないし、朝飯も食ってないな
とぼとぼと路地裏を歩いていると、3人のならず者に囲まれている人影が見えた
まあ、そういうこともあるだろう
我は普通に通り過ぎた
「そこのきみ!助けてくれ!」
ちっ、気づきおったか
「なぜ我が助けなければならぬのだ?」
「お礼は何でもする!だから助けてくれ!」
「ほぉ、何でもする……本当だな?」
「お、こっちの女、よく見たら美少女じゃねぇか」
「ぐへへ、捕まえて売っちまうか?」
「売る前に、十分遊んでからだな」
3人の男が我を逃がさないように3方向を塞いだ
その隙に、囲まれていた人影は逃げ出した
「おい!お礼は!」
我が叫ぶが、人影は「今度会えたらな!」と言って逃げて行った
「じゃあ、我もこれで」
我は右手をシュタッと上げて目の前の男の横を通り過ぎようとするが、前を塞がれた
「逃がすわけ無いだろ?」
男はポケットから折り畳みナイフを取り出すと、パチリと鳴らして刃を立てた
「はぁ、めんどくさい。せめて、いくらか金を持っていればいいが」
我はローキックを繰り出すと、男の膝がメキリと音を立てた
骨が折れたのか、皿が割れたのか知らぬが、戦闘不能1名だ
「て、てめぇ、なめた真似をしやがって!」
右にいた男が、殴りかかってくるが、拳を右手で受けると、握りつぶす
そのまま、左の男に向かって投げてやった
我は、「金は?」と聞くと、小銅貨を何枚か出してきた
無一文の我が言うのなんだけど、子供の小遣い並みだな
これでパンの一切れでも買えるといいが
我は「膝が!膝が!」と言ってうるさい男をヒールしてやった
男はきょとんとした顔で、痛く無くなったのを確かめると、「覚えていろ!」と言って仲間と逃げて行った
我はもうこの街に来ることは無いと思うので、覚える気はない
我は小銭で何を買おうかと思案を巡らせていると、首に小さな針が刺さった
すると、ものすごく眠くなってきた
「ぐっ、何だ?」
我は意識を手放した