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封印されていた最古の魔王。しかし、復活したら美少女になっていた。さらに、その体は呪われています!  作者: 斉藤一


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サラマンダー

我達は一旦クラマ城まで戻った。コカトリスをもって城へ入ることは出来ないため、キールは門番に言づけて入っていった。不審な顔をされている


キールは立場は侍大将だが、普段めったに人前に出ないので、門番にすら顔を覚えられていないようだ


「一緒に来てもらえるか?」


キールがそう言うが、我達は、適当な宿をとって焼き鳥を食う事にした。食欲優先だ


翌朝、キールが報奨金のわけまえをくれた。ケルベロも退治した事にしてくれたらしい


「さっそく、次の封印場所へ行くぞ」


キールは、殿様に何か言われたのか、やる気満々の様だ


「次は、どんな魔物だ?」


「サラマンダーだ」


色んな種類の魔物に襲われる街だな


「ちなみに、どうやって封印したのか聞いてもいいかしら?」


「そう言われると思って、調べておいたぜ」


キールはポケットから紙を取り出すと、読み上げる


「サラマンダーは、橋の上に誘い込み、橋ごと川へ落として弱らせて封印したみたいだぞ」


炎をまとった状態のサラマンダーには矢も槍も燃えてしまって効果が無かったらしい


刀では熱すぎて近づけなかったようだ


「弱らせたなら倒せばよかったのに」


アクアがもっともなことを言う


「それが、火が消えた代わりに、水で冷やされた皮が鉄の様に固くなったようだ。まあ、動きが鈍くなったらしいから被害はほとんど無いな」


そう言っているうちに馬車が封印の地へ着いた。祠は、再び作られた橋の下にあった


「これ、封印を解いたら橋が燃えるんじゃない?」


ミレが指摘したので、キールの動きが止まる


「よし、場所を移そう」


キールはそう言うと、お札を張ったまま鏡を持ち出した


しかし、動かすことによって封印が弱まったのか、鏡が熱くなってきたみたいだ


「あちい!」


とうとうキールは鏡を川へ放り投げた


お札が燃えてサラマンダーが現れる。サラマンダーはそのまま水に着地すると、水蒸気爆発が起きた


「もう終わったんじゃない?」


ライカがもうもうと煙る川を見てそう言う


しかし、シューという音と水蒸気は晴れない


「ウィンド・ストーム」


無理やり水蒸気を散らすと、サラマンダーの熱によって川の水は瞬時に蒸発していた


「ちょっと、川に落とすと弱まるんじゃなかったの?」


アクアが指摘する


「ふむ、封印で魔力を貯めたのではないか?」


サラマンダーは思ったよりも賢いのかもしれない


サラマンダーは川から飛びあがると、突っ込んでくる。思ったよりも敏捷で、逃げ遅れたアクアにぶつかる


「あちゃちゃちゃちゃ!」


アクアは燃え上がってゴロゴロと転がり、川へ落ちて鎮火した


「ウォーター・スピア」


我は水の槍でサラマンダーに攻撃するが、ジュウとあっさり蒸発する


すると、川から水の渦がサラマンダーに当たる。一瞬火が消えたが、すぐに火が出てくる


そこには、トライデントを構えた服がボロボロのアクアが居た


「お返しよ!」


アクアは再び槍を構えると、川へつけて渦をまとわせ、サラマンダーに攻撃する


さっきよりも体温が下がったのか、サラマンダーは火が消えた


「今よ!」


それを好機とみてキールも刀で斬りかかるが、キンッと弾かれた


「硬え!」


表皮は鉄並みになっているようだ


「ストーン・フォール」


我は3mくらいの岩をサラマンダーの上に作り出すと、落とした


ドスンと言う音と、パキパキと言う音がした。しかし、下が柔らかかったため、ほとんどダメージは無いようだ


「くぎゃぁ!」


サラマンダーは再び炎をまとうと、岩が溶けてしまった


「あちぃ、近づけねぇな」


ノロイとミレ、ライカは離れていった。アクアは水に潜っているようだ。キールは汗をダラダラと流しているが、ノロイ達よりは暑さに強いようだ


「もう一度よ!」


アクアがまた攻撃するが、今度は躱された


「アイス・バインド」


氷で動きを止めようとしたが、一瞬で溶けてしまう


「すこし時間を稼いでくれ」


我は、範囲魔法を構築することにした


アクアとキールが、なんとかサラマンダーを翻弄している。我の準備が整った


「バキューム・シール!」


サラマンダーを中心に、3m程が真空になる


炎自体は魔力によるものなので、なかなか消えないようだが、サラマンダーは呼吸が出来なくなって苦しんでいる


しばらくして、サラマンダーは動かなくなって炎も消えた




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