青いオーガ
「この先の街と言うと、クラマの街だろう?」
「そうなるわね」
我達は初耳だが、ミレには行き先が決まっていたようだ
「クラマって言うと、奇妙なお城がある街ね」
普通の城は石がメインだが、クラマの城は木がメインらしい
「俺が仕えている殿様が居る街だ」
「それより、服を弁償しなさいよね!」
アクアはキールにつっかかっているが、お互い様じゃないか?
「真剣勝負だから、それは知らん」
ほらな
アクアはガルルとキールに唸っているが、誰も相手にしていない
そうしているうちに、崖からオーガが数体出てきた
「まだいたのか」
キールは刀を構え、我達も対処できるように陣を構える。陣と言っても、ミレを中心に四方を固めるだけだが
崖を下ってきたオーガに、さっさとトライデントを突き込むアクア。刺さった場所が渦巻き状に細切れになっていく
「ライトニング・ジャベリン」
ライカは槍状の雷を投擲した。刺さったオーガはしびれて動けないようだ
ノロイは棺桶を盾にしてオーガの攻撃を防いでいる。オート・マタを使って足元を攻撃させているようだ
「フレイム・ピラー」
我はオーガ1体を消し炭にした
すると、赤いオーガではなく、青いオーガが出てきた。普通のオーガの2倍はでかい
「ボスのおでましか?」
キールは刀で一閃するが、キンッと表皮ではじかれる
「固え!」
「ライトニング・ランス」
ライカが放つ雷の槍も、はじかれる
「フレイム・ランス」
我も炎の槍も、効いたように見えたが、しばらくすると再生した。今の我の開放度は1%だから、普通のオーガなら余裕のはずだが
青いオーガは、長い腕を地面にたたきつけると、地面が割れた
「おいおい、この谷ってこいつが殴った跡じゃないよな?」
そう言えるほど、深い亀裂が走っている
青いオーガは、グッと力を溜めると、我に接近した。そして、フック気味にパンチを繰り出してくる
我は腕を交差させて受けるが、壁に十数mもめり込んだ
「マオ!」
それを見たノロイが心配するが、腕の骨が折れただけだな
「ミドル・ヒール」
「マオが怪我するところ、初めて見た」
確かに、最近は余裕だったからダメージを受けることは無かったな
「解放するか?」
ノロイがそう聞くが、たまには接戦をやってみたい気がする
「このままでいい」
我はそう言うと、右手に魔力を集めた




