ダンジョン4階
ダンジョンの4階は、3階が水であったのが嘘のように、砂漠だった
「ここへ来たのは私たちが初めてね!」
普通の冒険者なら、トロールにすら勝てないだろう
ただ、死んだ冒険者の持ち物がドロップしたり、宝箱があるから無理に潜る必要もないが
「暑いわね……」
アクアはすでに後悔したような顔をしている
「どんなモンスターが出るのかしら」
ミレは情報を集めようとしている
「ソナー。……うん? 階段がないな」
「ソナー。確かに、一面砂だけだな」
我も探ってみたが、音にぶつかる様な遮蔽物すらない
「もしかして、砂に埋まってる?」
ミレが嫌なことを言う。もし埋まっていたらソナーでは見つからない
「ここは、本当にダンジョンの中なのでしょうか?」
ビルが言う通り、どう見ても数キロ四方が砂であり、降りてきた階段以上の高さの天井がある。さらに、疑似太陽のようなものまである
「砂漠に転移させられたと言われた方がまだしっくりとくるな」
ノロイは「とりあえず水をくれ」と座りだした
「ウッド・ツリー。ウォーター」
砂に木が立つのか不安だったが、きちんと根を張った木が生えた。そして、水を水差しに入れる
木の陰で皆で休むと、砂がもこもこと盛り上がってきた
「何、あれ」
ライカが指さした瞬間、地面の下から大きなミミズが出てきた
「ジャイアントミールね」
ミレは冷静に言うが、ライカは「ミミズ!」とすでに逃げ腰だ
「焼けばいいんじゃないか?」
そう言われてハッとしたライカは「ライトニング・ランス」と槍を飛ばした
しかし、ジャイアントミールはパクリとその槍を食べた。ダメージは無さそうだ
「ミミズっておいしいの?」
エリザが聞くが、我も食ったことは無い
「どうなのだ?」
「誰も食ったことは無いわ!」
「え? もちゃもちゃしておいしいわよ?」
アクアは食ったことがあるらしい
「じゃあ、アクアに任せる」
そう言って我達は腰を落とした




