ダンジョン2階
大男は、さらに巨大化して巨人の様になった
「大した願いを叶えてない割に、見返りがでかいな?」
「うるさい! 願いは願いだ!」
大男はそう言うと、巨大な腕を振り回してくる
「へぇ、命を取るだって?」
エリザはそう言うと、大男の腕を、左手で受け止めた
ドゴンッと大きな音と風圧が周りに被害をもたらしたが、エリザはどういうわけか、微動だにせずに受け止めている
「神の命を取るだと?」
エリザはそう言うと、犬の姿になり、巨大化した。見た目はまるでフェンリルだ
「な、なんだその姿は!」
大男は、慌てて逃げ出そうとする
「愚か者め!」
エリザはそう言うと、大男を噛みちぎった
大男は、煙になるとネックレスに吸い込まれていった。すると、エリザは元の犬耳少女に戻った。どっちが元かは知らぬが。
「これは、精霊の一種ねぇ」
エリザはネックレスをツンとつついた
「これ、大丈夫なの?」
ミレはネックレスを外すと、捨てようかどうしようか迷っているようだ
「倒したから、しばらくは実体化しないと思うけど。魔力を込めない限りはね。ネックレスを付けた人から徐々に魔力を吸い出して、実体化したみたいね」
「面白そうな呪具だな。俺にくれ」
「いいけど、何に使うの?」
「殺したい相手に送ればいいんじゃないか?」
「怖! その発想怖いよ!」
「実用的ね」
とりあえず、誰も欲しがらなかったので、ノロイが貰うことになった
「ソナー」
ノロイは2階部分の地図もサラサラと作っていく
「今度は、この壁を3枚抜けば次の階だな」
「ほぼ直線か。ならば、一気に抜こう。トゥルー・フレイム・スピア」
青白い高温の槍が壁に突き刺さると、ドロリとダンジョンの壁が溶け始める。しばらくすると、貫通し次の壁に突き刺さる。間に居たリザードマンが一瞬で蒸発した
「すごいわねぇ、ふあーあ」
さっきので力を使ったのか、エリザは眠そうだ
「あ、リザードマンが逃げていくわ」
見ると、近くにいたリザードマンが慌てて去っていくところが見えた
「雑魚に用は無いから、さっさと次の階に行くぞ」
ノロイはそう言うと、壁を跨ごうとする
「あちぃ!! マオ、冷やせ!」
「やれやれ、アイス・フリーズ」
溶けた壁を凍らせて固定する
「あのー、私は何をすればいいのでしょう?」
やる事のないビルがそう聞いてくるが、特にやることは無いと思う
「じゃあ、メシの準備でもしてくれ」
やる事はあったようだ
 




