高級な店
店の中に入ると、高級な店と言うだけあって、品ぞろえも多く、煌びやかに飾られていた
さすがに、ターゲットがダンジョンに来る冒険者のためか、服装はラフでもいいみたいだ
「いらっしゃいませ」
さっき、男を追い出していた、ガタイのいい男が近寄ってきた
「お金はあるんですか?」
男はにこやかに言うが、目は笑っていない
「わ、わたしはこの方達におごってもらうことになりまして」
「そうなんですか?」
ガタイのいい男が、こちらを確認する
「我が払う、金ならあるぞ」
我は大銀貨を2枚指に挟んで見せた
「それならいいです、どうぞ、ごゆっくり」
席に通されると、女性が一人つくようだ
「おとうさん?」
「カレン!」
みると、ウェーブのかかったショートカットのかわいらしい女の子が居た
「おとうさん!」
カレンは男に抱きつくと、泣き出した。それを見たさっきのガタイのいい男が近づいてくる
「あまり騒ぎを起こすなら、客でも追い出しますよ?」
「す、すまない」
男はそう言って去っていった
「この子が娘か?」
「へーっ、マオほどじゃないがかわいい子だな」
ノロイが褒めるのもめずらしい。ノロイは酒を頼むと、うまそうに飲みだした
「カレン、逃げよう」
「だめよ、おとうさん。これを見て」
カレンは首を指さすと、そこには黒い首輪が付けられていた
「これは奴隷の首輪っていうマジックアイテムらしいの。逃げようとすると、首が締まるわ」
「そんな! どうすれば・・」
「借金を返せばいいだけじゃないか?」
ノロイがもっともなことを言う
「私は、大銀貨1枚を借りただけなのですが、1か月経ったら、いつの間にか返済が小金貨1枚になっていました。娘をここで働かせようと、利子をあげられたのです!」
「ここの給金はいくらなのだ?」
「月に、大銀貨1枚です。でも、借金の利子が増える方が多いのです」
カレンがシクシクと泣く。悪徳な商人に騙されたようだな
「娘は、見た目が良いので人気があるんです」
「我達はダンジョンを攻略しに行く。おぬしもくるか?」
ダンジョンでマジックアイテムの一つでも見つかれば、小金貨1枚くらいあっという間に稼げるはずだ
「しかし、私は戦えませんよ?」
「案内をするだけでいい」
「・・・わかりました。お願いします」
ノロイは追加で酒を飲む。男が仲間に入ることに文句は無いようだ
支払いをしようと出口に行ったら、料金は大銀貨2枚だった。ぼったくりだ!




