無機物操作君、改名
「じゃあ、改めて、マネージメントのマネちゃんにするね!」
「さっきよりマシかな?」
「私はムッキーの方がよろしいのですが」
「センス悪いな!」
突っ込みを入れたところで、多数決を採った。ムッキー:本人、ライカ マネ:俺、ミレ、マオ。よって、マネに決定だ! あれ?本人とライカがいいなら変える必要無かったか?
「仕方ないですね、これが民主主義ですか?人間ども」
「いきなり口が悪くなったな……」
「人間は私の住居兼ご主人様の研究室を勝手に荒らしますので排除対象です。この男みたいに」
マネは串刺しの男を指さす。思い出したライカとミレは「ひーっ」と悲鳴を上げた
「で、こいつはどうするんだ?」
「回収してゾンビとして再利用しております」
「再利用しないで!せめて焼却処分してよ!」
「スケルトンの方がお好みですか?」
「スケルトンもだめ!私の研究室にはふさわしくないよ!」
「分かりました、ご主人様の言うとおりに致します」
マネはそう言うと、パンパンと手を叩く。すると、数十体のゾンビが「あーっあーっ」って言いながら洞窟の奥から歩いてくる
「ぎゃーっ!」
その状況に耐えれなくなったのか、ライカは失禁して失神した。我はウォーター・シャワーで洗い流すと、クリーンを使ってやる
「ご迷惑おかけしました」
ライカが殊勝にも謝った。ミレはギリギリ恐怖に耐えたようだ
「ちなみに、私は罠は作れますが、魔法は使えないので、どなたか処分をお願いします」
「我がやろう。フレイム・ピラー・オクタプル」
ゾンビの周りを炎の柱で囲むと、高温で焼却処分した。後には灰しか残っていない
「ありがとうございます。また後日、増えたらお願いします」
「もう増やさないで!」
ライカが叫ぶ。一旦場所を移して、マネと話し合いを行った結果、そもそも研究室に入らないように、入り口に一筆書くことになった
「立ち入り禁止、無断で立ち入った場合は命の補償は致しません」
「解決になっていないんじゃないか?命の危険を冒してトレジャーハントするのが冒険者だろ?」
「じゃあ、無断で立ち入った場合には金貨1枚を請求します」
「うむ、こっちの方が効果がありそうだ」
少なくとも我は金貨1枚持っていないから、この看板を見て入ろうと思わないからな
「マネ、状況を教えて」
「かしこまりました、ご主人様。私が知性を得たときからの話をします」
もともとはライカが研究以外の雑事を任せようと作ったのが無機物操作君だ。最初はただ単に言われることをこなすだけだったが、急にライカが居なくなったため、命令する人が居なくなった。すると、動物が入り込むようになった。その動物を掃除するために、わなを仕掛け始めた。さらに数年後、人間まで来るようになったので、いろいろと効率を考えた結果、人間用の罠も仕掛けられた
「最近は、勝手にご主人様の道具を見つけては、ひゃっほー、お宝だ!と言って勝手に持ち出そうとするので、実力行使をしたりしています」
「うむ、ご苦労様。ただ、方法は考えてね」
「かしこまりました」
我達はマネが出してくれたお茶を飲みながら、ライカの研究結果を見ている
「ライカよ、この研究のここだが、こうしたらいいのではないか?」
「あ、本当だ!じゃあ、ここは?」
「ここは、魔方陣を組み込むとか」
「そんな魔方陣があるの?教えて!」
「お前ら、先に用事を済ませろよ」
「そうだった!」
ライカは思い出したように、マネに命令した
「私の宝石箱を持ってきて!」
「申し訳ありません。盗まれました」
「なんですって!!」
こうして振出しに戻る
 




