3/135
魔王、けがをする
「だが、我が魔力は封印前と何ら変わらぬ。この程度の術など解いてくれる!」
我は魔力を全身に込め、体の指揮権を取り戻そうとする。
「じゃあ、魔力の使用禁止で」
ノロイがそういうと、我の魔力が霧散する。
「ばかな!最強の魔王である我が魔力を止めるなど不可能だ!」
「不可能も何も、実際止まったじゃん」
「くそっ、いったい何が起きているのだ!」
我はいら立ち紛れに近くにあった木を殴る。
「ぐぅ、痛い!魔力のこもらない体がこんなにも脆いとは!」
「お前、その体に傷つけるなよ!俺の最高傑作なんだからな!」