魔王、冒険者登録をする
「ふーん、話す気がないならもういいですよーだ。とりあえず、ギルドへ行くわよ」
我達はめんどくさいと思ったが、報奨で出ると聞き、金に目がくらんでギルドへ行くことになった
「ようこそ!私はギルドの受付をしています、ミミと言います」
見た目が150cmくらいの女性がニコリと微笑んで挨拶してくる
「本日は、どのようなご用件ですか?」
「ああ、こいつらは私の客だから、いいのいいの。ところで、ギルマスいる?」
「ギルドマスターでしたら、いつもの執務室にいると思います」
「わかった、執務室ね。ほら、あんたたちいくわよ」
ギルド嬢の横を通り、木製の階段を上り、一番奥の部屋が執務室だった
「おう、ミレか。調査は終わったのか?」
「その事で報告があるわ」
「わかった、おい、茶を入れてやれ。さあ、こっちに座れ」
ギルドマスターは秘書にお茶を入れさせると、高級そうなソファーへ案内した
「で、こちらさんは誰だ?」
「俺か?俺はノロイ、呪術師だ」
「我は魔王だ!今はマオと呼ばれている」
「はっはっは、面白いお嬢ちゃんだな、旅の芸人か?」
「芸人ではないわ!」
「ギルドマスター、この子は魔王かどうかは置いておいて、あの四天王の雪花を退けたのです」
「何!四天王最強の雪花を退けただと!」
え、あいつ四天王最強だったの?あいつは四天王の中でも最弱!とか言われてるのかと思った
「はい、それも、あっさりと」
「詳しく話を聞こうか」
それから、どうやって撃退したかを話した
「ほぉ、呪の人形、ねぇ」
「おう、俺の最高傑作だ。触るなよ?」
「ふはははは、封印さえ解ければ現魔王だろうが、倒してみせるぞ!」
「現魔王より危険なやつを解き放つわけ無いだろ!」
ちぃ、魔王を倒してくれ!って言うかと思ったのに
「とりあえず、冒険者登録するか?お前たちならすぐにS級にもなれそうだ」
「冒険者になる利点ってあるのか?」
「まず、でかい街の出入りが楽になる。冒険者用のタグが身分証になるからな。あとは、活躍すればいろいろな所から声がかかる。強いやつは騎士や貴族の護衛なんかになるぞ」
「それはそれでめんどいな」
「我は、うまい飯が食えるなら、なってもいいぞ!」
「じゃあ、マオちゃん、登録しましょう!」
いつの間に用意したのか、ミレは申込書を持ってきていた
「えーっと、名前:ディエゴ・デ・パウラ・ファン・ネセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・シプリアノ・デ・ラ・サンシマ・トリニダード、出身地:魔界、職業:魔王、年齢:大体1500歳、これでいいか?」
「よくないわよ!どこの世界にそれで通すギルドがあると思ってるの?!」
「我は嘘はついてないが……」
「話したくないなら、名前はマオ、出身地はこの街、年齢は見た目から14歳、職業は……こっちにきて」
我はミレについていくと、水晶のようなものがあった
「これに触れて、戦士なら赤、魔法使いなら青、回復職なら緑と色でわかるわ」
我が水晶に触れると、水晶は七色に光った
「これはなんだ?」
「まさか、すべての職業に適性があるとでもいうの!?」
ちなみに、ノロイは青と緑の中間と言う、珍しいものだった
「じゃあ、名前:マオ、出身地:アイズ、職業:魔法使い、年齢:14歳で登録するわね」
「魔法はよく使うから、それでよいわ」
「ノロイは、出身地:不明、職業:呪術師、年齢:18歳と」
「ぷぷ、その見た目で年齢18歳だったのか、30歳くらいかとおもったわ」
「あ?30歳だけど文句あるか?」
「なんで履歴に嘘を書くのだ!?」
「まあ、冒険者で本当のことを書くやつの方が少ないけどな」
ギルドマスターはため息混じりに教えてくれる
「低ランクはほぼ身元不明なやつばっかりだからな。だから、Fランク、Gランクあたりは門で一応確認される。Eランクは、1年間普通にクエストをこなせば誰でもなれるからな」
「あなたたちは、私の推薦ってことで、いきなりなれる最高のCランクよ!」
「まあ、四天王を退けれるなら、最初からAランクはやりたいが、実績なしでつけれるのはCが最高だからな」
「そして、この私、ミレがあなたたちの専属ギルド員になるわ!」
「へぇ、いらんけど」
「ちょっと!専属が付くのなんて、普通は実績のあるBランク以上じゃないとだめなんだからね!」
「ミレが一緒だと、何かいいことがあるのか?」
「いい質問ね、マオちゃん。私がいると、素材が高く売れたり、クエストの実績評価が高くなったりするわ!あと、割引や優遇が受けやすくなるのよ!さらに、飲食店で裏メニューが頼めるようになるわ!」
「それはすごい!我はミレと一緒に行くぞ!」
「勝手に決めるな!ちっ、足手まといだと思ったら置いていくからな!」
「ところで、お前たちはどこへ向かっているんだ?」
「あ?魔王城に決まっているだろ」
「いや、初耳だが。」
「世界征服するなら、魔王を倒すのが一番だろ?」
「うむ、確かに。じゃあ、目指すは魔王城か」
「あなたたち!もっとまじめに話しなさい!」
いや、我達はこれでも本気なんだが……
 




