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魔王復活
世界の最果てにあると言われる伝説の島。そこには、太古の昔に封印された魔王の魂があるという。そこに一人の男が足を踏み入れた。
うっそうと茂った木々を抜けると、黒いクリスタルが見えてきた。
「これが、魔王が封印されているというクリスタルか」
男が背負っていた棺桶を地面に下ろした。開けると、ビキニに近い格好の絶世の美少女人形が入っていた。
俺はノロイ、世界一の呪術師だ。俺が開発した秘術によって、魔王の魂をこの器に移す予定だ。
クリスタルの周りに魔方陣を描き、棺桶の周りにも魔方陣を描く。
俺が世界中を回ってやっと手に入れた、魔王の体の一部である角を人形の心臓に入れる。
「魔王よ、我が人形に魂を移し、復活したまえ。我が名はノロイ!」
俺が人形に血を数滴落とすと魔方陣が光り、クリスタルが消滅し魔王の魂が宙に浮かぶ。
魂は、人形の心臓の部分に近づくと、吸い込まれていった。ピクリと人形が動き、瞼が開く。
「我を復活させたのはお前か?褒美に、苦痛なく殺してやろう」
魔王は右手に魔力を込めると、ノロイに向けた。