表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者が世界を滅ぼす日  作者: みくりや
第二部 想い
26/202

閑話 討伐者はどなた?

本日は連投失礼します。




 わたくしはエルランティーヌ女王。今現在はわたくしが王国を治めております。

 わたくしの友達レイラと復縁することができたので、今のわたくしは絶好調と言っても過言ではありません。


 真の勇者の福音が無くなった今、自力で国力の復興をやり遂げなくてはなりません。

 しかしわたくしは、新たに『勇者の福音』を得ようと勇者召喚したにもかかわらず、保有者である山田 恭介を誤って追放してしまいました。痛恨のミスです。

 まさかお父様と同じ過ちを、わたくしがやってしまうとは思いませんでした。



 勇者育成や全国配置、それから広報活動によるマインドブレイクと並行して、彼の探索も行っております。

 目の回るほどの忙しさですが、誘惑スキルから目覚めたレイラはものすごく優秀で、わたくしの側でその手腕を振るっております。



「エル!広報活動は順調よ。彼らのおかげで各地でマインドブレイクが起きている。勇者の福音なんてなくったってわたし達はやれるところを見せなきゃ!」

「ふふふ……アシュインへの罪滅ぼしですか?」

「……うん。わたしが出来ることなんてこれぐらいしかないから」

「かっこいいわよ、レイラ」



 わたくし達は本当に信頼し合ったパートナーを得ることが出来たようです。二人で報告書の処理を行っている最中に、レイラが目を驚かせる報告があったようだ。



「ふむ。ちょ!!これ本当!?」

「どういたしました?」

「やったわ!!!ケインが何者かに討たれたそうよ!!」

「まぁ!!!」



 私たちは歓喜いたしました。立場上、手を下しにくい位置にいたわずらわしいケインを、誰かが討ってくれたそうです。

 恨みを自分達で晴らすことはできませんでしたが、女性の身で彼に近づくのは本当に危ないのです。誰かに討ってもらうことが一番でした。

 わたくしたちの願いをかなえるように、それを実現してくださった方に心から感謝いたします。



「どこの方が討ったというのでしょう?」

「うーん?報告だと、女王エルランティーヌ様の勅命にて来た討伐者。となっているよ」

「え!?わたくしの名のもとに討ったということでしょうか」

「そうみたい。この人に会ってみたくない?」

「ええぜひ!!おそらく考えを共にできそうです。それに復興にもご協力いただけないか、当たってみましょう!」



 わたくし達は、基礎学習の学生の頃に戻ったようにきゃーとはしゃいでしまいました。ケインが死んだことが、人間の生き死になのに、こんなにうれしいことがあるなんて思いもしなかった。


 『人の命は平等』、『死者を冒涜するな』なんて言われるけれど、わたしはこの意見に同意できなかった。ケインに限っては、親友のレイラを襲い孕ませ、国中を巻き込んで不幸のどん底に陥れたのだから。

 今彼が死んだことが、最高にうれしくて幸せだと思うのだから。


 狂気だと思われても、この考えは変わらない。『クズは死ぬべき!』これをわたくしの持論にしたい。




 浮かれていたけれど、さっそくわたくし達は、討伐者の方の捜索と、召喚を指示した。

 まだケインが没したラディアの町に滞在している可能性が高い。すぐさま、迎えを出しました。


 危険な人物かどうかまでは分かりませんので、念のため警戒は必要でしょう。厳重な警備体制をとる必要はございます。

 ほぼわたくしの独断と偏見での謁見です。これに異を唱えるものも少なくありません。足をすくわれて、彼らやレイラに迷惑がかかる事だけは避けなくてはなりません。



「ねぇ。よく考えたんだけれど。ケインを討てる人間なら、男性よね?」

「ええ、おそらくそうでしょうね。女性では誘惑スキルが邪魔して簡単には討てませんから」

「素敵な男性だったらいいな~」

「またレイラは……アシュインはもういいのですか?」



 雑談の中でも手を止めていなかったレイラは、その名前を聞いただけで、すべてを放棄して俯く。



「……本当はよくない。忘れられない。今もあの笑顔を夢で見るの」


「……そう。じゃあいつか会って、恋が成就するにしても、砕け散っても決着をつけたほうがいいと思います」

「え?……だってもうあわせる顔が……」

「いいえ、嫌われてもいいから一度お話された方が良いと思います。そうしないと貴方はまた同じ失敗をしますよ?レイラ」

「う……会えるかな?」

「そちらの捜索もちゃんと並行して行っておりますよ」

「ほんと?ありがとエル!!」



 書類をほっぽりだして、わたくしに抱き着くレイラ。本当にいつまでたっても、子供のようでほほえましい。そんないつまでたっても変わらないレイラをわたくしはすごく好ましく思います。



 数日後、ケイン討伐を行ってくれた方々が見つかり、わたくしのもとへやってくることになりました。

 これにわたくしもレイラも歓喜し、予定日までずっとワクワクしていました。これはきっと良い出会いになる事でしょう。





読んでいただきありがとうございます。

ブックマークか、★のご評価いただけると特にうれしいです!

SNSで共有していただけるとさらにモチベーションが上がります!

もしレビューをいただけたら最上級の幸せです!

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 見つかりました。読み飛ばしてた(苦笑)
[一言] あれ、レイラってケインの子供を妊娠してなかったっけ。どこか読み飛ばしたかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ