妖怪ハーレム伝説300
石動アラト五歳
母「アラト起きなさい。降りてきなさい。朝よ。」
「はい。今行くよ」
その日なんの変化もないいつものように黙々と新聞を読みながらテレビを見ていた。アラトは
日系ブラジル人の母で調理師だ。役所勤めの父に年の離れた姉が一人。ピアノとそろばんが好きで妖怪を見ることが何より好きだ。大人になると妖怪を見えなくなる人もいる。現代は妖怪と共存する社会だ。だから妖怪が町にいようが共同生活する最近ではいたって普通だ。アラトはの黄キャラメル色の目はテレビに向いた。夏休みの時期で外国の観光地をよく放送している。
”アイドルすめらぎシャインズと行く外国ツアー”
その時外国の神殿や噴水が映った。そこでアラトは口をあんぐり開けた。フリストは艶やかでブロンドにしなやかな腕煌めく物憂げな瞳に長いまつげ、レポーターの後ろを通る人たちはその麗人とそれを取り巻く可憐なレディたちだった。レポーターは平然と神殿や噴水と庭園を紹介していた。次の国に切り替わった。
またしてもアラトは度肝を抜く。レイモンは凄まじいビジュアルの持ち主だった。さっき見た方も別格だが今まで見た中でダントツ美麗な姿だ。オレンジのブロンドに水色の目。ソバージュのようなショートヘア。服はローマのローブのようで、花飾りが愛らしい。レポーターはまたあたりの博物館や図書館を説明した。
今度こそ黙っていられず、
「母さん 今の見た!さっきもそうだけどシンガポールの神殿と異国の近代美術館と博物館の前をすごい綺麗なレディが通り過ぎた。しかもその周りのレディも花のように可愛らしかった。まさに百花繚乱だった。服装もロマンティックで役者にみえる。」
「まあ、アラトがい言うならそうね。服装は普通に見えたわ」
アラトは視力は高いほうだ。しかし
「今見た集団は観光客にしては華やかすぎる。」
そのつぶやきは皿洗いの音に消えていた。