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夕食を食べ終わった後ぐらいにローズから電話がありました。

「ヤッホー、スズ。今、大丈夫?」

「はい。大丈夫ですよ。」

「スズはさ、ハロウィンのパーティーでコウ君に愛の告白されたんでしょ。

スズもようやくコウ君への恋煩いに気付いたんだから、両想いである事くらい伝えちゃいなよ。」

「ですが……」

私は恋が好きという感情が怖いのです。ですから、この事も一歩先に進めません。

「そこまで好きが怖いの?スズは。

このプリムローズ様に話してみなさい。」

思わず笑ってしまいました。

ローズは自信家です。よく、私は天才なんだから出来て当然と仰います。確かにローズは天才です。ですが、見えない所で血のにじむような努力をしている事を知る機会が私にはありました。

だからこそ気付きます。ローズが気遣ってくださっている事に。今日はローズに甘やかされていますね。グリーディーとの時差もありますのに。スケートの活動再開もあって忙しいでしょうに。

「ふふっ。はい、そうですね。

私は確かに好きという感情が怖いです。」

「うん。それで?」

ローズが優しく相づちをし、続きを促します。

「いつか、アイツみたいに好きだからこそ好きな人の事を憎く思ってしまうのではないのかと思うんです。

好きだからこそ傷つけてしまうのではないのかと思うんです。」

「そっかぁ。スズは自分をコントロールできないんじゃないのかと思って怖くなってるのね。」

「はい。

ローズ、悩みを話せて少し、すっきりとしました。ありがとうございます。」

これ以上話すつもりはないという意志と感謝の気持ちを込めて伝えます。これ以上、ローズの負担を増やすわけにはいきません。

「なら良かったわ。それじゃあまたね。」

「はい。それではまた。」


*⑅︎୨୧┈︎┈︎リョウ視点┈︎┈︎୨୧⑅︎*


ローズに頼んでいたスズのフォローが終わったと聞いてスズの部屋に行く。

元々、スズがあの日のせいで恋愛が怖くなった事も好きという感情に憶病になった事も薄々感じてはいた。でも、いつかは乗り越えなくてはいけないものだ。だからこそ、俺は、スズに嫌われる覚悟をしてでも、絶対に乗り越えさせる。

「スズ、ちょっといいか?」

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