18
ランの誕生日が終わりましたら、一学期の中間試験が始まりました。中間試験の日の朝、学校に着きますと、ヒロインさんはもういらしてまして、こちらに向かっていらっしゃいます。隣には私達と敵対している唯一の派閥を率いていらっしゃる北嶋聡美さんがいらっしゃいます。
「スズさん、ランさん、セイさんお久しぶりですね。」
「えぇ。サトミさん、お久しぶりです。こうして話すのは何ヶ月ぶりでしょう?」
「確か、1ヶ月ぶりじゃありませんでしたっけ?」
「えぇ。そうですわ。スズさんの頭はどうなっていらっしゃるのでしょうね?それでも特進生なんですの?」
あぁ、もう。面倒臭いですね。
「えぇ。そうですわ。あいにく色んな方々に会うのでサトミさんと最後にいつお会いした忘れてしまいましたの。申し訳ございません。」
「それなら仕方ありませんわね。でも、その程度でよく特進生でいられますわね。ランさんは覚えていらっしゃるのにやはり彼女が仰るように裏口入学なんですの?」
これは我が家に喧嘩を売っていると、ふふっ。コレで心置き無く潰せます。
「ラン、これは大丈夫かな?スズがヤバいんだけど。」
「セイ、これは諦めましょう。スズはこうなったら手に負えないことぐらいご存知でしょう。」
「それもそうだな。それに、さっきの発言を西野家への宣戦布告ととる可能性がある。前から邪魔だったんだよなあの女。」
「なら、北嶋を潰されますの?」
「いや、あの女だけだ。嫡男は俺達に敵対はするもあんなふうに直接じゃないからな。」
「私も手伝いますわ。」
あら、丁度よさそうですね。
「なら、2人でサトミさんの周りを潰しに掛かって下さいませんか?」
「いつから聞いてたんだ…ま、分かったよ。スズは何を?」
「彼女を潰せるものを探します。ちなみに最初から聞いていましたよ。」
「貴方たち、何をコソコソ喋っていらっしゃるの?」
「ねえ、東城さん。西野さんにそばにいなさいって脅されてるんでしょ。私達なら西野さんにみたいに酷いことしないわよ。」
はぁ〜、ランが手に付けられなくなりそうです。それにしても標的を私一人に絞りましたか。ま、この中で1番厄介なのは私でしょうからね。俄然、やる気が出てきました。
そう思ってる私は
「2人を止めるなんて無理だぞ、これ。」
なんてセイが仰っているのに気づきませんでした。