第1話「呪い殺し」第2章〜出動要請〜
〈警察庁 刑事局 捜査二課 刑事部屋〉
ある男が刑事局の捜査二課の書類整理の手伝いをしていた
捜査員「中さん、いつも書類整理ありがとうございます。おかげ助かりますよ」
中島と二課の捜査員に言われた男は、苦笑いをし口を開く
中島「ハハッ、本業の仕事が中々来ないもんでね。サボっているのもいいが、そんな給料貰うようじゃ、警察や市民に無礼講だからな」
捜査員「流石、中さん。いつも憧れてますよ」
捜査員の言葉におもわず笑ってしまう中島
中島「僕に憧れても、そんな得るものないよ?」
捜査員「そんなことありませんよ」
中島「…いや、嘘だな絶対」
捜査員「嘘じゃないですって!」
中島と捜査員は一緒に高笑いした。その時電話が一本鳴り響いた
捜査員「ん?なんだろう?」
捜査員は電話に手をかけた
捜査員「はい、捜査二課…あ、中さんですか?。わかりました」
捜査員は中島に受話器を向かせ
捜査員「中さん、牧さんからです」
中島「あぁ、ありがとう」
中島は受話器を受け取り、耳につけた
中島「はい、中島。おっ、どうしたんだ?…あぁ…そうかわかったすぐ行く」
中島は電話を切り、机にかけていたジャケットを羽織った
中島「ちょっとすまんが、あと頼む」
捜査員「あ、はいわかりました。…中さん久しぶりの仕事ですか?」
中島「あぁ、久しぶりに本業の仕事だ」
そう言い中島は捜査二課の部屋の廊下を小走りして、捜査室へ向かった
〈警察庁 警備局 国家警備室〉
室員「おい!谷口!」
谷口と呼ばれた男は苦笑いを浮かべながら、警備室の部屋の中に入っていった
室員「また来たのかよ…」
谷口「いやぁ、共に暇なのが牧野しかいないもんだから…」
牧野という名の室員は、溜め息をついて答えた
牧野「俺だって暇じゃないんだぞ…さっき過激派グループの隠れ家、命がけで制圧してやっと帰って、仮眠しようと思ってたのによ…」
谷口「いやぁ〜悪い…」
牧野「…まぁ、いいさお前とは学生時代からの仲だ。お前にも、色々借りをもらってるからな。話付き合ってやるよ」
谷口「申し訳ないな…本当…」
牧野「いいさ、気にすんな」
すると警備室の電話が鳴り響く。近くにいた牧野が受話器を手に取る
牧野「はい、国家警備室。あ、牧さんですか…はい、谷口ですね?。わかりました」
牧野は谷口に受話器を渡す
谷口「はい、谷口です。え…本当ですか!。はい!すぐ行きます!」
そう言い、谷口は電話を切った
谷口「やったぞ!牧野!」
牧野「仕事か?」
谷口「あぁ…」
谷口は笑顔で答えた
牧野「頑張れよ!」
谷口「あぁ!」
そう言い、谷口は警備室を出て行った
〈警察庁 刑事局 特命捜査室〉
谷口が捜査室のドアを開けた時には、須藤たち三人はもう話し合いをしていた
谷口「すいません!。遅れました…」
中島「いや、俺も今来たばかりだ。それよりもこの資料を見てくれ」
そう言い、中島は谷口に資料を渡した
牧「今回の事件の詳細が書かれてる。しっかりと確認しておけ」
谷口「あ、はい!」
中島「随分と張り切ってるな」
中島は少し微笑して、谷口に言った
谷口「いやぁ〜久しぶりの事件なもんで…」
と谷口も微笑で返した
中島「そりゃ嬉しいね〜。頑張って!」
谷口「ありがとうございます!」
そして、渡された資料を見終わった谷口は心配そうに言った
谷口「これは相当難しい依頼ですね…」
牧「あぁ、全くだ。弁護士の事件では、犯人の特徴が掴める証拠がない…」
谷口「でも、銃殺されたなら、充分麗華さんの無実は明らかですが…」
中島「麗華は射撃競技の経験がある。まぁ、その経験だけで疑うのはおかしいが、あの一族が納得する理由にはならんな…」
須藤「納得させるには、決定的証拠か…射殺事件の犯人を逮捕することだけだ…」
牧「どちらとも難しいですね」
須藤「あぁ…」
中島「あと、それと麗華がここに来た場合において、女性の職員が必要になる可能性がありますね?」
須藤「あぁ、それに関しては問題ないです」
中島「問題ないとは?」
須藤「実は今回この捜査室に配属される女性刑事が居るんです」
〈警察庁 庁舎 正面口〉
1人の若い女が庁舎を見た後、肩にかけていた鞄を握りしめて、気合いを入れたように正面口入って行った…
〈警察庁 刑事局 特命捜査室〉
谷口「その女性とは?」
須藤「あぁ、谷口。お前と同じ同期だ」
捜査室のドアからノックの音が聞こえた
須藤「おっ、噂をすれば…。どうぞ!」
女「失礼します!」
そう言い、ドアを開けた新人は須藤たちの前に来た
陽子「新たに特命捜査室配属となりました!。氷川陽子です!」
須藤「自己紹介ありがとう。ちなみに話は聞いてるね?」
陽子「はい!」
須藤「よし、なら話は早い。谷口、今日から彼女とコンビを組め。いいな?」
谷口「はい!」
陽子「よろしくお願いします」
谷口「あ、いえこちらこそ…」
と礼を返した2人。すると捜査室から若い刑事局の捜査員が出て来た
捜査員「失礼します。ただ今本庁より、柳田麗華さんと家政婦の方をお連れしました」
須藤「わかった。ありがとう」
捜査員「はっ!失礼致します!」
そう言い若い捜査員は連れてきた2人を置いて去って行った
須藤「柳田麗華さんですね?」
そう須藤に聞かれた三女の麗華は小さく頷いた
須藤「そしてこちらが家政婦の橋本洋子さんでいらしゃいますね?」
橋本「はい、そうです…」
須藤「警察庁特命捜査室の須藤です。麗華さん、保護させていただきます」
橋本「お願いします…」
須藤「谷口…」
谷口「はい」
須藤「橋本を出口まで送ってくれ」
谷口「わかりました。では、橋本さん。こちらです」
そう言い、家政婦の橋本洋子は谷口に着いて帰って行った
中島「…麗華さん。早速ですいませんが、お聞きしたいことがあるので、着いてきてもらえますか?」
中島のお願いに小さく頷いた麗華は取調室へと中島、陽子と共に向かって行った…
〜続く〜